第96回東京箱根間往復大学駅伝は2日午前8時に号砲が鳴る。連覇を狙う東海大、過去5年4勝の青学大、11年連続3位以内の東洋大、平成で6度のVを誇る駒大、出雲駅伝覇者の国学院大が「5強」とされる。本紙陸上担当の上田悠太は東海大に、マラソン15戦10勝のレジェンド瀬古利彦氏(63=横浜DeNAランニングクラブエグゼクティブアドバイザー)は青学大に◎を打った。往路はどの上位校が勝つか分からないが、ともに総合では復路の選手層が厚いチームが勝つと見る。

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▽上田記者の予想

◎東海大

○駒大

▲青学大

△順大

△東洋大

△国学院大

▽瀬古利彦氏の予想

◎青学大

○東海大

▲駒大

△国学院大

△東洋大

△東京国際大

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往路は大混線になりそうだ。東洋大、駒大、国学院大が攻勢をかける。東洋大は2区に学生最強ランナー相沢を配置し、逃げ切るプラン。駒大はゴールデンルーキー田沢を当日変更で3区か4区で入れ、そこでトップをうかがう。国学院大は5区に昨年区間新記録を作ったエース浦野を配置し、一気にまくる青写真を描く。ケニア人留学生と予選会日本人1位の伊藤という強力2枚看板を擁する東京国際大も往路をかき回しそう。一方で復路も戦力豊富な東海大と青学大は、先頭と1分~2分差なら射程圏。往路Vへの執着は薄い。

総合力では東海大の戦力が目を引く。18年ジャカルタ・アジア大会1500メートル代表の館沢、今年の日本選手権3000メートル障害覇者の阪口、高校時代から名をはせた鬼塚ら4年生は「黄金世代」と呼ばれ、注目を浴び続けてきた。その背中を見てきた3年生以下の世代も成長し、底上げが進んだ。黄金世代の一角だった関ですら、16人のメンバー外に。故障は癒え、十分に走れる状態だったという。それが充実ぶりを物語る。

今季は3冠を目指したが、出雲で4位。それが危機感を生み、カンフル剤となった。主将の館沢は「出雲駅伝で油断、慢心が出れば、甘くない結果になると全員が分かった」と言う。全日本は主力を故障で欠く中で制した。「誰が走っても優勝を目指せる」と語る。

山を制するものは箱根を制す-。その点でも心強い。昨年は1時間11分18秒の区間2位と好走した西田が残る。勝負を大きく左右する山登りもアドバンテージを持つ。6区は2年連続区間2位の中島が外れたが、埋められる戦力がある。

大会の放送の解説を長く担当する瀬古氏は、青学大を本命とする。メンバー上位10人の1万メートルの自己記録平均が28分45秒37と出場校トップ。大砲こそいないが、高いレベルの戦力が整う。山の経験者は不在とはいえ、そこを耐え切れば、勝機は十分だ。出雲5位、全日本2位。主役の座を譲っているが、箱根の勝ち方はよく知っている。【上田悠太】