高校総体や全国中学体育大会の中止を受け、トップアスリートらが立ち上がり、中高生を対象にした陸上のバーチャルレースが開催される。

「新しい生活様式」が求められる中、バーチャルゆえに、全国どこにいても参加可能。8月14日から8月23日の期間内にタイムと走る姿を動画サイトに投稿する形で競う。後日、全国や都道府県別のランキングが発表される。種目は800メートル、1500メートル、3000メートル、1600メートルリレーなど。参加費は無料。

代表発起人である12年ロンドンオリンピック(五輪)男子800メートル代表の横田真人氏(32)は「全国ナンバーワンを目指す、大会を目指す過程を楽しむ、夏の思い出づくり、なんでも構いません。それぞれが取り組んできた陸上競技をここに詰めて、記憶に残して欲しいと願っています」との談話を発表。運営ディレクターを務める女子ハーフマラソン日本記録保持者の新谷仁美(32=積水化学)は「大会がなくなった事実は残念ながら、変えることはできません。ただ、未来は変えることができます。みなさんが頑張ってきた証を残し、未来の自分が部活頑張ってきてよかったな。そう思ってもらえるように」とコメントした。

賛同者には04年アテネ五輪女子マラソン金メダリスト野口みずき氏、男子400メートル障害で世界選手権2度の銅メダルを獲得した為末大氏、元サッカー日本代表の鈴木啓太氏、フリースタイルスキー・モーグル男子の堀島行真らが名を連ねている。

陸上は7月から国内でも徐々に競技会が再開されていく。その一方、国内外でオンラインを利用した競技会も模索されている。オスロで11日に行われたエキシビション大会では、一部選手が自宅の庭などの遠隔地からオンラインで“参戦”した。また競歩でも5キロのオンライン記録会が企画され、120人以上が参加している。