第98回東京箱根間往復大学駅伝(来年1月2、3日)に出場する21チームのエントリー選手(各16人以内)が10日、発表された。オンラインでの監督会見で、優勝候補の一角、青学大の原晋監督(54)は往路と復路をいずれも制する「完全優勝」を目標に掲げ、恒例の作戦名を「パワフル大作戦」と発表した。10区間のエントリー選手は29日に発表される。

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昨年から続くコロナ禍で、今年も大会は万全のコロナ対策の中で開催される。原監督は今年も世相を反映させた作戦名を掲げた。「パワフル大作戦」について「コロナの中で、経済も気持ちも低迷している。力を結集して、パワフルな走りを箱根路で見せたい。日本をパワフルな走りで明るくしていきます」と意図を説明した。目標を聞かれると「完全優勝を目指します。パワフル全開で優勝宣言します」と断言。力強くガッツポーズした。

自信には裏付けがある。エントリーした16人全員が1万メートル28分台と速く、監督は「史上最高」と胸を張った。「力をつけましたね。力はある。16人選ぶのに大変苦労しました」とうれしい悲鳴を上げた。

選手層の厚さゆえに、優勝候補の一角といわれる。一方、選手層の厚さに頼ることなく、練習も時代に合わせて進化させている。今年、意識して取り組んだことに、高速化を生んでいる厚底シューズ対策に取り組んだ。原監督は「スピード強化につながっているが、故障もする。臀部(でんぶ)周りの故障が増えています。故障しない体作りで進化させようとしている」と明かした。

前大会は連覇が期待される中、5区のブレーキが響き、往路はまさかの12位。復路は優勝も総合4位に終わった。今年の学生3大駅伝の出雲駅伝、全日本大学駅伝はいずれも2位。全日本は絶対的エース、田沢廉(3年)を擁する駒大とわずか8秒差だった。「今のところ順調にきています」と強調。「昨年は山登りでブレーキがあったが、十分穴埋めできると思っている」と自信をのぞかせた。

キーマンに「全員」を挙げた。「コンセプトは『総合力で戦う』。ブレーキがなく、みんな普通に走ってくれれば、王座奪還はおのずと見えてくる」。総合力で2年ぶりの総合優勝を目指す。【近藤由美子】