<第98回箱根駅伝>◇2日◇往路◇東京-箱根(5区間107・5キロ)

駒大の田沢廉(3年)が、「花の2区」で学生最強を証明した。歴代4位の1時間6分13秒の快走で自身初の区間賞に輝いた。

   ◇   ◇   ◇

田沢は、青森山田高時代から「最強」だった。河野仁志監督(43)は「あいつはなんでも食べます。胃が強いのか…」と懐かしむ。真夏に行われるインターハイ。午前の予選を終えた疲労で誰もが食欲をなくす中、田沢はとんかつ定食をぺろりと間食。卒業式前日に3年生5人で連れて行ってもらった焼き肉屋では、6万円相当をたいらげ河野監督を青ざめさせた。

レース直前はいつも、携帯でサッカーゲームをピコピコ。「リラックスさせてたんじゃないですかね」。周囲の目を気にしないメンタルの強さも大きな武器。もちろん体も強靱(きょうじん)だ。最後の高校駅伝で足を負傷するも、約1カ月後の都道府県駅伝で5区6位の快走。練習できたのは直前の1週間だけだった。「普通ビリのほう走るしかないのに。持ってるエンジンが違うんでしょうね、ちょっと走っただけで回復しちゃう」。何度も恩師を驚かせた、全ての「強さ」が武器だ。【磯綾乃】