新型コロナウイルス感染症の影響で2年ぶりに開催された伝統の大会、第70回の記念大会は一般参加で初マラソンの西山雄介(27=トヨタ自動車)が2時間7分47秒の大会新で優勝した。

34キロ過ぎに藤田寛人(24=トヨタ自動車九州)が仕掛け、36キロ付近で古賀淳紫(25=安川電機)が抜け出すが、離されずに食らいつく。追いついた40キロ過ぎ、一気にスパートして大接戦を制した、大会新となった2時間7分47秒は、初マラソン日本最高(2時間7分42秒)にあと5秒と迫る好タイムだった。

優勝インタビューで西山は「初マラソンなので怖いものはなかった。初マラソンの歴代最高を狙ったが5秒足りなかった。初マラソンはしっかり走れたが2回目、3回目もしっかり走って、世界を目指して頑張っていきたい」。今夏に米オレゴンで行われる世界選手権の派遣基準記録もクリアし、1~6位までが24年パリ五輪代表選考会「グランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を手にした。

◆西山雄介(にしやま・ゆうすけ) 1994年(平6)11月7日、三重・松阪市生まれ。伊賀白鳳高では全国高校駅伝で1区の区間賞。駒大でも箱根など駅伝で1年時から主力を担う。トヨタ自動車でも全日本実業団駅伝で区間賞など活躍。173センチ、58キロ。

▽2位の鎧坂哲哉(旭化成) 率直な感想は「悔しい」が一番ですね。まだまだ足りない。向かい風でも力を出せるように土台を鍛える。

▽3位の藤曲寛人(トヨタ自動車九州) 優勝を目指していたので、最後の5キロは反省。ただ風もあった中で粘って3位はよかった。

▽4位の古賀淳紫(安川電機) 仕掛けて最後に止まった。4位だが今後に向けていい経験になった。

▽5位の相葉直紀(中電工) 前半から前で淡々と流れるレースプランだったが、中団より後ろになった。給水失敗がつらかった。

▽6位の中西亮貴(トーエネック) 初マラソンだったので2時間10分を切ってあわよくばMGCの権利がとれたらと。とれてうれしく思います。