女子円盤投げで幕別清陵の川村羽海(うみ、1年)が37メートル33の投てきを見せ、初優勝を飾った。統合前の幕別、江陵時代を含め、男女通じて同校初のタイトル獲得となった。元7人制ラグビー女子日本代表で帯広農時代の07年に同種目を制覇した桑井亜乃さん(32)を教えた西山修一監督(55)の指導のもと、頂点に立った。

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1年生ニューヒロインの笑顔が輝いた。川村が男女通じて同校に初のタイトルをもたらした。「すごくうれしい。最初の3投はちょっと微妙だったけど、そこから改善できてよかった」。チームメートらにたたえられながら、西山監督とがっちりと握手を交わした。

前半の3投を終え、前年の覇者函館大妻の辻がトップに立った。「正直焦っていたけど、パワーに変えて頑張ろうと思った」。4投目、投てきした瞬間の感触はバッチリだった。「しっかり円盤を走らせて、振り切ることができたのでいったなという感覚はありました」。37メートル33をマークし逆転。そのまま逃げ切り勝利を手にした。

小学5年の秋に陸上を始め、中学2年から円盤投げを始めた。「厚真スローイングチーム」では、元砲丸投げの選手で回転投法の第一人者として活躍した大垣崇氏(38)の指導を受けてきた。

今は実家のある厚真を離れ下宿生活を送っている。帯広農に25年間在籍し、元7人制ラグビー女子日本代表で07年に同種目を制覇した桑井亜乃さん(32)を教えた西山監督の指導を受けたいと進学した。「的確で自分の弱点がわかる」と感謝する。同監督は「厚真スローイングの指導のたまものだと思います。難しい回転のセンスなんかをつくってくれたというのは1番の勝利の要因じゃないですか。感謝ですね」と敬意を表した。

初のインターハイへ川村は、はっきりと目標を掲げた。「自己ベストと入賞を目指したい」。自信を力に全国で上位を狙う。【山崎純一】

◆川村羽海(かわむら・うみ) 2007年(平19)2月23日、苫小牧市生まれ。上厚真小5年の時に陸上競技を始める。家族は両親と弟、妹。趣味は音楽を聴くことと絵を描くこと。好きな食べ物はギョーザ。170センチ、70キロ。

◆幕別清陵高 19年に道立の幕別と私立の江陵が統合し、新設校として開校した道立校。校訓は「考 拓 愛」。校章にはカワセミがあしらわれており、スクールカラーは翡翠(ひすい)色。部活動の中には、地域に根ざしさまざまなスポーツに親しむ「オール部」もある。所在地は幕別町依田101の1。沢田慎也校長。

▼女子走り幅跳びで2連覇に輝いた札幌日大・小林美月(2年) ドキドキしていたけど、優勝できてよかった。インターハイはすごく特別だから、その舞台を楽しみたい。

▼男子5000メートルを制覇し、1500メートルとの2冠を達成した東海大札幌・後藤琉太朗(3年) 自分でレースをつくることができたと思う。優勝だけ狙って走りました。