陸上の世界選手権ブダペスト大会男子100メートルで、6位入賞を果たしたサニブラウン・ハキーム(24=東レ)が30日、東京・夢の島競技場で「サニブラウンスピードトライアル」を開催し、小学生から高校生までの子どもたち100人とトークショーや写真撮影などで交流した。

「結果で恩返しするのはもちろん、競技外でも何かしたかった」と開催したイベントは、小学生は50メートル、中高生は100メートルを走り、各年代の優勝者にサニブラウン本人から指導を受けられるというもの。参加した子どもたちの走りを「小中学生の自分と重ね合わせながら見た」と振り返り、懐かしそうな表情を浮かべた。

終盤には参加者からの質問を受けつけた。「日本の選手で一番の強敵はだれですか?」と尋ねられると「日本選手権の決勝に残るメンバーはみんなライバル」と笑顔で回答する場面もあった。

スーパースターらしい神対応も見せた。本人たっての希望で、イベント後には参加者全員とツーショットに応じた。身長190センチのサニブラウンは子どもたちと目線を合わせ、終始笑顔を絶やさずに感謝を示していた。

イベント後の報道陣向けのプレゼンテーションで、「DAWN GAMES」と称した全国大会の実施を発表。各地区での予選を経て、24年のパリ・オリンピック(五輪)後に東京でファイナル大会を開くという。成績優秀者には、自身が所属する米国のチームでの練習参加や世界トップレベルの大会の観戦に招待するプランも明かした。

「子どもたちがチャレンジできるような架け橋を作っていく」。日本随一のスプリンターは後進の育成にも取りかかっている。