駒澤大(駒大)が9日、大会新記録となる2時間7分51秒で2年連続5度目の出雲駅伝Vを飾り、史上初の2年連続3冠へ盤石のスタートを切った。

1区の篠原倖太朗(3年)から最終6区の鈴木芽吹(4年)まで1度も首位を譲らずに完全優勝。篠原が2位に8秒差の区間賞で好発進すると、佐藤圭汰(2年)も区間賞、山川拓馬(2年)、伊藤蒼唯(2年)が区間3位、安原太陽(4年)が区間2位でタスキをつなぎ、アンカーの鈴木は最長10・2キロを29秒00で駆け抜けた。これで大学3大駅伝は昨年の出雲路から4連勝となった。

その大きな要因が、出走者1人1人が安定した走りを見せていること。この4大会計30区間で、全員が区間5位以内に入っている。今回の出雲駅伝が初采配となった藤田敦史監督も「昨年の3冠をした時もそうですけど、3大駅伝全部で区間5番以内でした」と強調する。

留学生選手がいないチームにあって、徹底したのは「区間3位」以内に入ること。「私たちとしては日本人選手だけで勝負をしているので、最低限区間3位というのは勝つために必要な要素だろうとチームとして考えていました」と説いた。

優勝直後のインタビューでは、ほとんどの選手が自身のパフォーマンスを反省していた。佐藤は「圧倒的に差をつけて区間賞をとりたかったので満足いく結果ではなかったです。もっと上のレベルに行きたいので今のままではダメ」、山川は「設定したタイムに遅れたのは、自分としてはまだまだ足りない」、伊藤は「区間3番で、前と10秒くらい(実際は12秒)開いたので悔しい点でもありました」と口にした。

大会新記録で圧倒的な力を見せつけてもなお、満足している選手は誰1人としていない。その姿にこそ、駒大の強さが表れていた。