立教大(立大)が2年連続29度目の出場を決めた。

1月の箱根駅伝経験者7人が出場し、前半10キロを全体1位で通過。その後も順調にペースを刻み、6人が2桁台の順位でフィニッシュした。中でも、関口絢太(4年)は1時間2分15秒をマークし、チームトップの14位。箱根出場へ導く原動力となった。

大会直前に上野裕一郎前監督(38)が不適切な行動によって解任となるトラブルもあった中、昨年と同じ6位で通過を決めた。代理監督を務めた原田昭夫総監督(68)は「学生は非常に辛かったと思いますが『やるしかない』と。頑張りました」と号泣。「最初は暗い顔をしていましたが、日に日に『自分たちでやるしかない』となった」と涙で声を詰まらせた。

選手たちは自陣ベンチの前へ戻ると、保護者やOB、ファンに囲まれる中、思い切り喜びを爆発させた。原田代理監督は「整列しておじぎして、おとなしく帰ろうと思ったんですけど、学生が思いっきりはしゃいでいて。学生たちにとっては一生に1度。こんなにうれしい機会はない。どうか許してやってください」と何度もうなずきながら繰り返した。

宮沢徹主将は「いろいろなことがあって、直前でバタバタした中、走るメンバーも含め、部員全員に不安な思いがあると思いましたが、箱根をつなげることができたのはとてもよかったです」と笑みをたたえた。

歓喜の場面を振り返り「当然いろいろな声があると思いますが、騒動があっても、明るく前向きにという雰囲気で予選会まで動いてきました。こんなに苦しい状況でも、これだけたくさんの方が応援しに来てくださったので、明るい姿を見せたいと思いました」と実感を込めて感謝した。

立大は創立150周年を迎える2024年に向け、18年から箱根駅伝の強化プロジェクトを始動。今の4年生はその事業の初期生でもある。今年1月の55年ぶりの箱根路は総合18位に終わったが、次の目標はシード権獲得。宮沢は「より1段階高いレベルで戦いたいという思いは、今の強化初期生みんなにあると思います。4年生1人1人が自分の意志をもって、力強くチームを引っ張っていく意識はあります」と力を込めた。

【箱根駅伝予選会】東京国際大わずか3秒差で本選出場ならず 東農大は10年ぶり箱根路/詳細

【陸上】立教大、異例の学内一斉メールで上野駅伝監督の解任発表 硬式野球部トラブルとあわせ