佐久長聖(長野)が6年ぶり3度目の優勝を大会新記録の2時間1分0秒で飾った。昨年大会の倉敷(岡山)を10秒更新。留学生抜きでは97年西脇工(兵庫)以来26年ぶりとなった。5区では佐々木哲(2年)が72年以来51年ぶりの区間新記録を樹立して貢献した。

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アンカー篠和真(2年)がゴールテープを切った瞬間、観衆がどよめいた。表示されたタイムは2時間1分0秒。2時間0分台こそならなかったが、留学生不在での大会新は26年ぶりだった。1区の永原颯磨主将(3年)は「留学生がいなくてもこういう記録を残せる。非常にうれしい気持ち」と胸を張った。

3区でトップに立つと、5、6区で区間賞となる快走でライバルとの差を広げた。最後は独走で日本一を奪回。高見沢勝監督は「全員が設定通りに走ってくれて、結果的に勝つことができた。留学生の力は大きいが、駅伝だからこそ勝負できる」。5000メートルを13分台で走る選手を6人そろえる層の厚さを整えてきた。

その中で唯一14分台だった5区の2年佐々木哲(2年)が51年ぶりの区間新を出す爆発力。1972年(昭47)に浅井利雄(小出=新潟)が出した8分22秒を8秒、半世紀ぶりに更新し「タイムは意識していた。日本人だけでしっかり勝ち切るところは大切にしている部分。それを実行できて良かった」と強調した。

昨年はエース吉岡大翔(順大1年)が3区で日本人最高記録を出すも、同じ3区で倉敷のサムエル・キバティに21秒速い区間新を樹立された。チームも倉敷に競り負けて2位。永原は大会前日、吉岡から「今年は狙える」とエールを送られ「悔しさを晴らせる良い機会」と、大差でのリベンジ勝利をつかんだ。留学生なしでも戦えることを証明したレースに永原は「伝統を引き継いでいると思う。史上最速、最強じゃないですかね?」。照れ笑いしながらも、確かな自信を口にした。【永田淳】