<陸上:日本選手権兼世界選手権代表選考会>◇最終日◇9日◇東京・味の素スタジアム◇女子5000メートル決勝

 自己ベスト更新の粘りの走りで、尾西美咲(積水化学)が初優勝した。昨年の大会で5000メートルに初出場。「15分30秒も最近切ったばかり」と実績はなかったが「(先頭に)付ける所まで意地でもついて行こうと思った」。自己ベストはもちろんのこと、「遠い記録だな」と思いもしなかったB標準(15分24秒)も切る15分21秒73で優勝した。

 取材に訪れた高橋尚子さんに「おめでとう」と祝福されニッコリ。高橋さんが女子マラソンで金メダルを獲得した当時に在籍したのが積水化学で、いわば後輩。「本にサインをいただいたりしました」と尾西。また三重・宇治山田商高出身で、こちらは女子マラソン野口みずきの後輩。くしくも五輪マラソン女王の「DNA」を受け継ぐ無名のランナーが、モスクワ行きの可能性を残した。