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佳菜子窮地乗り越えあこがれ真央と五輪へ

あこがれの浅田とともに五輪出場を狙う村上
あこがれの浅田とともに五輪出場を狙う村上

 天真らんまんなトレードマークの笑顔は戻るのか。村上佳菜子(19=中京大)が試練の時を迎えている。

 次なる五輪へ向けて新たな戦いが始まった10-11年シーズン。フィギュア大国の愛知県に生まれた期待の高校1年生は輝かしいシニアデビューを飾った。グランプリ(GP)シリーズのNHK杯で3位(日本人最上位)に入ると、続くスケートアメリカで優勝。ファイナル出場権を手にし、シリーズ成績の上位6人しか出られない同大会でも3位と躍進した。勢いままに世界選手権まで出場し、愛くるしい表情をみせる少女は日本女子の次代を担う存在として脚光を浴びた。

 それから2年、大学1年生になった村上は、初の五輪出場への最終選考会となる全日本選手権を前に、深い悩みのなかにいる。昨季世界選手権で自身最高位の4位と躍進した姿は、いまはない。笑みが消え、顔をしかめる姿が多くなった。

 今季初戦の10月のジャパンオープンから災難続きだった。直前にスケート靴のかかとの部分が壊れ、代替品での調整は間に合わずに102・15点と低迷。勢いがそがれたのか、GPシリーズでも中国杯は4位。さらにロシア杯ではSPで運営側が使用曲を間違うミスに見舞われるなど、順位は7位。不運が連鎖した。

SP構成変更

初の五輪出場をかけて全日本選手権に挑む村上
初の五輪出場をかけて全日本選手権に挑む村上

 状況を重く見た陣営は、改善のため今月1日の愛知県競技会に出場させたが、構成を変えたSPのみの大会でも、53・53点と得点は伸びない。本人は「SPで悪いイメージがついている。どうしていけばいいか分からない」と表情を曇らせ、指導する山田コーチは「何かが合っていない。この曲で滑るのかどうするのか考えないといけない」と、以前の演目で使用した曲に戻す考えまで示唆した。

 10年バンクーバー五輪で同郷の先輩である浅田の演技を見て「人生で初めて鳥肌が立った」という。そして自分もそこに立ちたいと誓って3年。順調な成長曲線の先にあった、まさかの窮地。あこがれの浅田と一緒に五輪に出るためにも、笑顔が戻るような演技を全日本選手権でみせる。【日刊スポーツ・阿部健吾】

◆村上佳菜子(むらかみ・かなこ)
 1994年(平6)11月7日、名古屋市生まれ。5歳からスケートを始め、伊藤みどり、浅田を育てた山田満知子コーチに師事。中京大在学。09年ジュニアGPファイナル優勝。10年世界ジュニア優勝、GPファイナル3位。12年全日本選手権3位。13年四大陸選手権3位。162センチ、47キロ。
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第6回
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2005年
過去の激闘史








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