ショートプログラム(SP)2位の島田麻央(17=木下グループ)が、シニアの国際大会デビュー戦で逆転優勝した。フリーで自己ベストを更新する152・48点。合計231・32点とし、ノービス時代からの国際大会連勝記録を20に伸ばした。個人の中立選手(AIN)として4年半ぶりに国際舞台復帰した、2022年北京五輪(オリンピック)銀メダルの22歳アレクサンドラ・イグナトワ(旧姓トルソワ)らロシア勢も上回った。26年ミラノ・コルティナ五輪の銅メダリストで、SPは首位で出た中井亜美(18=TOKIOインカラミ)は4位だった。
◇ ◇ ◇ ◇
島田が勢いよく両手を突き上げた。会心の演技に笑みがあふれる。観衆も総立ちにした。「すごくうれしい」。冒頭でトリプルアクセル(3回転半)を決め、続く4回転トーループも成功。大技2本で会場の空気を一変させた。逆転優勝で衝撃のシニア国際大会デビューを飾り「何よりも楽しく滑れた」と喜んだ。
今大会はロシア勢がAINとして参戦。2つ前の滑走順だったイグナトワは、冒頭で4回転ルッツを決めた。2月のミラノ五輪銅メダル相当の合計221・06点。重圧がかかる中で出番を迎えたが、初陣でも動じなかった。シニアの日本女子では初めて3回転半と4回転を同時成功させ、イグナトワに10点以上の差をつけた。「自信を持って跳べた」と充実感を漂わせた。
中学1年から跳び続けた4回転トーループ。昨季までのジュニア期間は決まらない試合も多く「他のジャンプを跳んだ方が点数が出る。おまけみたいな感じ」と明かす。それでも「こだわってきたから諦めたくない」と何度だって投入。22年に、年齢制限で26年ミラノ五輪の出場資格が付与されないことが決まっても組み込み、ジュニア期間は39戦無敗で駆け抜けた。折れない姿勢がこの日の好演につながり「さらにうれしさが増した」とかみしめた。
ロシア勢の参戦は脅威だが「自分にとってプラス」と前向きに捉える。イグナトワの武器4回転ルッツにも挑戦中。「まだ半分以上も回転が足りない」と習得には至っていないが「ルッツを跳びたい気持ちが増した」と眼前の成功例に刺激を受けた。「諦めずに努力を続けて、感動を与えられる選手になりたい」。30年五輪の星が、大きな一歩を踏み出した。【藤塚大輔】


