国内ツアーでは毎週のように新ヒロインが誕生し、女子ゴルフの人気、注目度はどんどん高まっている。華やかなイメージが先行しているかもしれないが、その人気を支えているのが、日本人選手の実力の底上げだ。

国内ツアーで年間女王を争う山下美夢有や西郷真央は今年、メジャーでも上位に名を連ねるなど、世界に通用する実力を証明。さかのぼれば昨季賞金女王の稲見萌寧は、東京五輪で銀メダルを獲得した。畑岡奈紗、渋野日向子、古江彩佳、笹生優花は、米ツアーで堂々と渡り合っている。

そんな日本女子の躍進を証明するのが、世界ランキングだ。今月19日付の最新世界ランキングで、日本勢はトップ50に8人が名を連ねた。これは韓国の13人、米国の10人に次ぐ3番目の多さ。4番目に多いスウェーデンの4人を、頭一つリードしている。さらにトップ100に枠を広げると、上位3カ国と後続の国との差は顕著。トップ100に韓国は32人、米国は21人、日本は17人。4番目に多いタイの5人を大きく上回っている。

年間で多くの試合が開催され、しかも各試合で世界ランキングのポイントが、多分に加算されるツアーは韓国、米国、日本に偏っている。その3カ国の選手が、上位に多くなるのは当然だ。ただ、1年余り前のランキングと比べると、日本女子の成長ぶりを見て取ることができる。

東京五輪に出場できる60人が決まった、昨年6月28日付の世界ランキングで、韓国はトップ50に実に19人も名を連ねていた。米国は12人。日本は現在と同じ3番目の多さだったが、人数は5人だった(母の母国のフィリピン代表として五輪に出場した笹生を除く)。4番目に多いタイの3人と大差はなく、韓国、米国の“2強”の構図だった。それが現在は“3大勢力”の状態となったといえる。

このまま日本女子の実力が、世界ランキングともに底上げされ続けると、2年後に迫った24年パリ五輪には最大4人が出場可能となる。五輪出場権は基本的に1カ国2人まで。ただし、世界ランキングに基づく五輪ランキングで、15位以内に3人以上いる強豪国は、最大4人まで出場権を得られる。東京五輪では韓国、米国がそれぞれ4人出場した。五輪ランキング15位以内に畑岡1人しかいなかった当時の日本は、もう1枠を稲見、古江、渋野が争った。最終的に稲見が勝ち取り、明暗が分かれた。「たら」「れば」の話になるが、4人とも五輪ランキング15位以内にいれば、全員が出場権を得ていた。

パリ五輪の代表争いは、さらに激化すると予想される。ともに8月、全米女子アマチュア選手権で日本人37年ぶり2人目の優勝を果たし、本番会場で行われた世界女子アマチュアチーム選手権に出場した東京・代々木高2年の馬場咲希は「オリンピックは夢の舞台なので、本当に、本当に頑張る!」と、意欲的に話していた。

世界のトップ選手が集結する女子ゴルフの五輪は、5大メジャーと同様に注目度が高い。2年後、誰が世界ランキングを駆け上がり、パリ五輪の舞台に立っているのか。その時、日本女子代表は何人出場しているのか。五輪本番で複数人が表彰台に立っているかもしれない。次々に新ヒロインが現れる現状は、そんな未来も想像させる。

多くの選手が目標として語る「夢や希望を与えられるようなプレー」を、自然と体現している格好だ。一段と高まるファンの期待感、注目度に応えようと、選手は実力を向上させる好循環。韓国、米国と肩を並べ、日本が正真正銘の“3強”と呼ばれる日は、遠くないように思える。【高田文太】(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)