一ノ瀬優希(29=ミロク情報サービス)が8バーディー、1ボギーの65で回り、通算11アンダーの205で2位となった。

 序盤から「とにかく伸ばそうと。自分のことだけを考えていた」と高い集中力を発揮した。14番で図らずもリーダーボードが目に入ってしまうと「まだ上に人がいるんだと思ったら、まだまだ伸ばさないといけないなと思って」。さらに闘争心に火が付いた。最終18番は残り130ヤードの第2打を8番アイアンで1メートルにつけ、バーディーで締めくくった。優勝には届かなかったが、15年フジサンケイ・レディース以来の2位に「頑張りました、久々に」と笑顔があふれた。

 ツアー通算3勝を誇るが、13年に左鎖骨を痛めて苦しんできた。患部をかばった影響は左手親指にも波及。「とにかく優勝して、喜んでもらいたい。(ケガをして)成績が悪くなってきて、それでも応援してくれる人がたくさんいて。ホントに感謝しきれない。結果で恩返しというか、感謝の気持ちを伝えたい」と復活を目指す強い決意はぶれない。

 今大会で優勝争いを演じた小祝さくらら「黄金世代」をはじめ、若手の台頭が著しい女子ゴルフ界。「私も、もう、そういう年齢かと思って」と笑いつつ「若い子が出てくるのはいいこと。私が20歳くらいの時に『上にいくぞ』と思ってやっていたのと一緒。私は今年30になりますけど、別に若い子と自分を比べるつもりもないし、自分は自分で絶対、まだ戦えると思っています。若い時より技術とか気持ちの面とかは、絶対に強くなっている」。口調は熱を帯びた。

 体のコンディションは良好で、練習の成果も実感できている。自らの手応えを深める結果に「今年はすごく楽しみです」とうなずいた。