3位から出た松山英樹(27=LEXUS)が、1イーグル、2バーディー、1ボギーの67で回り、通算8アンダー、132で3位を死守した。

25日の大雨の影響で安全確保のために無観客で行われた異例の試合だったが、来られないファンのためプレーし、376ヤードから140ヤードに短縮された10番パー4でイーグルを奪うなど、スコアを3つ伸ばして第3ラウンドにつなげた。64で回ったタイガー・ウッズ(米国)が通算12アンダーで首位に立った。

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衝撃的な光景が広がる10番パー4で松山が、イーグル発進を決めた。前日の大雨で左の池から水が溢れ、フェアウエーはもちろん、右のバンカーまで浸水した。その影響で距離は当初の376ヤードから140ヤードに短縮。この異例の措置は、「おそらく過去最短のパー4」とPGA関係者が話すほどだが、即席でフェアウエーに作られたティーイングエリアから第1打を放つと、ピン左3メートルにつけるスーパーショットを披露した。

落ち着いてスライスラインを読み切り、イーグルパットを沈めると流れをつかんだ。14番でバーディーを奪い8アンダーまで伸ばした。後半は1バーディー、1ボギーだったが、首位のウッズとは4打差。米ツアー参戦7年目の実力を見せた。「スタートでいいパットが入ってそのあと楽にプレーができた。10番がすごいことになっていると聞いていたが、朝来てさすがにびっくりした」と振り返った。

静寂に包まれた会場でも、ファンとともに戦った。第1日は、「日本語の応援が力になった」と感謝したが、安全上の理由でこの日は無観客試合。ピンそばにつけてもいつものギャラリーのどよめきはなかった。「いいプレーをすればみんなの元気につなげられる。そういうプレーがしたかった。寂しい気持ちはあったが、明日応援に来て、微妙な位置からスタートするより良かった」と話した。

約2年2カ月ぶりとなるツアー6勝目を射程圏に入れて折り返す。「このまま続けられれば良い」と目に力を宿した。【松末守司】

<記録アラカルト>

▼無観客試合 日本ゴルフツアー機構(JGTO)発足した99年以降、無観客試合は、12年9月の東海クラシック、16年HONMA TOURWORLD CUPと合わせ3度目

▼月曜日に順延 27日は午前6時半から第3ラウンド開始。終了後に最終ラウンドを実施予定。日没まですすめ、残ったホールを28日の月曜日に行い、72ホール消化を目指す。月曜日に順延は73年ツアー発足後、76年の日本オープンを含め、過去5度。

▼1日における1ホール最多イーグル 記録が残る85年ツアー以降、16個が最多で今回の10番を含め、過去3度ある。