ツアー史上3人目の3週連続優勝へ、ミレニアム世代(00年度生まれ)の古江彩佳(20)がツアータイ記録のハーフ2イーグルをマークした。4打差15位からのスタートで11、13番両パー5で58度のウエッジを使い、第3打を放り込んだ。66で通算7アンダー、首位と2打差2位に急浮上だ。

11番パー5は見えなかった。目前にそびえる高いあごでカップは見えない。グリーン右前のガードバンカーに古江はいた。ピンまで17ヤードの第3打。「打った時“強い、当たれ”と思った」。カチャンと音がした。ボールはグリーンエッジ付近にキャリー、バウンドして5ヤード先のカップへ。鈴木愛らのバッグも担ぐ森本真祐キャディーの「入った!」の声に「ウソッ!」と思った。

13番パー5は見えていた。グリーン右前エッジから32ヤード先のピンへ。「上って下るライン。上りを消して、下りのみのイメージで」。ピッチ&ランで半分ほどキャリーさせ、足を使ってカップに入れた。クラブはともに58度のウエッジで、飛ばし屋的な2オン1パットでなく、業師的の3オン0パット。古江は「イーグルが1日に2個なんて覚えてないけど、記憶にないです。ほんとラッキー」と手放しで喜んだ。

この日は元世界ランク1位申ジエと2サムで回った。ショット、アプローチ、パットのすべてがハイレベルで「ジエさんは全部すごい。驚きながらのラウンドでした」という。それでも「人は人です。自分は自分で(バーディーを)取れるところで取っていきたい」とスタイルは崩さない。驚異の20歳が一気にV戦線に割り込んだ。【加藤裕一】

◆ハーフ2イーグル 記録の残る90年以降で昨年8月大東建託・いい部屋ネットレディース第2ラウンドのインの葭葉ルミ以来24人目(26例目)。福嶋晃子、穴井詩が2度記録。