元賞金女王平瀬真由美のめいでアマチュアの竹田麗央(18=熊本国府高3年)が通算8アンダー、136とスコアを伸ばし、18位から首位と2打差の4位に浮上した。ドライバー飛距離250ヤード超のパワーゴルフで7バーディー、ボギーなし。大会コースレコードタイの「65」をマークした。19年10月富士通レディースの古江彩佳以来、史上8人目のアマチュア優勝は射程圏内だ。ツアー初Vを狙う高橋彩華が首位に立った。

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豪快に雨を切り裂いた。スタートホールの372ヤード、1番パー4。竹田のドライバーショットがグングン伸びる。多くのプロが捕まる220~230ヤード地点のラフの傾斜を越え、その先のフェアウエーへ。約10ヤードの打ち下ろしは入る。それでも、300ヤード級のビッグショット。ピンまで残り70ヤードの第2打を58度のウエッジでピン80センチにつけ、楽々バーディーを奪った。

7バーディーの65。竹田は「朝からショットもパットも調子が良かったので、ハマれば、これぐらいのスコアは出るかなと思っていました」。生意気口調でなく、普通に静かに言ってのけた。同組の飛ばし屋穴井が不調だったとはいえ、何度もアウトドライブした。熊本国府高の部活で週1は回り、熟知したコースではある。それでも…だ。ツアー4戦目で初のアンダーパーを出した翌日に、大会コースレコードタイ記録。元賞金女王平瀬を叔母に、プロの哲子を母に持つDNAが一気に目覚めた。

14年大会では勝みなみが15歳でアマチュア優勝を飾った。その最終日を生観戦し、勝について回った。「すごいな」と思った7年後、史上8人目のアマチュアVを狙うとは…。快進撃に、テレビ解説で来場中の叔母も「ドキドキするわ」と気が気じゃない。

今年のプロテストを受験する。優勝すれば、その必要はない。「それは全然考えてません。明日は緊張すると思うけど、最後まで諦めずにプレーしたいです」。黄金、ミレニアム、新世紀より年下の高校3年生が快挙に挑む。【加藤裕一】

◆竹田麗央(たけだ・りお)2003年(平15)4月2日、熊本生まれ。93、94年の賞金女王平瀬真由美の姉でプロの母哲子の影響で6歳からゴルフを始める。19年九州ジュニア(15~17歳の部)優勝、同年日本女子アマ37位。ツアー出場は同年日本女子オープンなど過去3試合すべて予選落ち。好きなクラブはドライバーで、飛距離は250~260ヤード。家族は両親、兄、弟。好きなプロはダスティン・ジョンソン(米国)。166センチ。