堀琴音(26=ダイセル)が昨年7月ニッポンハムレディース以来のツアー通算2勝目を飾った。プロ転向後初めて単独首位で迎えた最終日、3バーディー、1ボギーの70をマーク。通算9アンダー、207だった。一時は内田ことこ(19)の猛チャージもあり、首位を譲ったが、粘り強いプレーで1打差をつけて逃げ切った。

優勝を決めた直後は一瞬、涙ぐんだが、会見では「幸せいっぱいです。結婚会見になっちゃう。ハハハ」と笑顔を見せた。

最終日を単独首位で迎えるのは初めてだった。「追い掛ける気持ちで頑張りました」。内田らの猛チャージで接戦が続いた。15番パー5でバーディーチャンスをものにし、1歩抜け出した。「取れるのはここしかないと思って、強い気持ちで打とうということだけ考え、打ちました」。最終18番ホールは「ティーショットも第2打も想像以上に飛んだので、体は緊張しているんだなと思った。第3打のパットは緊張のピークというか。いつもとは違い、ハラハラドキドキでした」と振り返った。

昨年7月のツアー初優勝から約8カ月。「短いと思われるかもしれないけど、個人的にはいろいろ葛藤があった。去年は最後の方に調子を崩してしまって。2勝目ができるのかなと内心思ったが、今季3試合目で2勝目ができて良かったなと思います」とホッとした表情ものぞかせた。初優勝との違いについては「あの時は苦しいことがフラッシュバックして、いろんなものが込み上げて。2勝目は自信になった気持ち強かった」と明かした。

姉の堀奈津佳(29)もツアー2勝を挙げている。姉に並びたいと強く思っていたという。「正直、そこが一番思っていて。姉は2勝で私は1勝。2勝と1勝では響きが違う。早く2勝したいと思っていましたが、今季3戦目でできたので、やっと姉と並べたかなと思って。少しホッとしています」と喜んだ。

今季の目標は複数回優勝だ。「こんなに早く優勝できると思わなかった。今季2勝目ができるよう頑張るのみです」と意気込んだ。

◆堀琴音(ほり・ことね)1996年(平8)3月3日、徳島市生まれ。ゴルフは7歳から。滝川二高でJGAナショナルチーム入り。14年下部ツアーで当時2人目のアマチュアV。同年プロテスト合格。18年に3季保持したシードを喪失、21年7月ニッポンハムレディースでツアー初優勝、賞金ランク27位でシード再奪取。姉は堀奈津佳。165センチ、56キロ。