21年マスターズ王者で、パリオリンピック(五輪)銅メダリストの松山英樹(32=LEXUS)が、苦しみながらも、2月のジェネシス招待以来の今季2勝目を挙げた。
五輪後、米国に向かう際に経由地のロンドンで盗難に遭い、パスポートを紛失した松山のエースキャディー、早藤将太氏(30)は今大会に同行できなかった。当初はパスポートが再発行されるまで、早藤キャディーの合流は早くても2週間後の今季最終戦、ツアー選手権とみられていたが、中3日で始まる次戦に復帰することになった。
今大会で急きょキャディーを務めた、田渕大賀氏(31)が明かした。テレビ局のインタビューに応じた田渕キャディーは「来週は早藤が帰ってくるので(日本に)帰ります」と話した。
急造コンビとなったが、米ツアー初優勝を経験した田渕キャディーは「本当に松山さんに感謝です。本当に何もできないので、1番近くでギャラリーさせてもらっていた感じです」と、謙遜しながら話した。単独首位に浮上した17番のバーディーパットの際には、直前に松山と話し込む場面もあった。
田渕キャディーは「ラインが分からなかったので、松山さんが『真っすぐかな』と言ったので『真っすぐ』と言ったら入りました」と振り返った。
「緊張は、めっちゃしました。(松山のキャディーをすると)決まってから寝られなかったです、毎日。今日(昨晩から)も寝られなかったです」と、重圧から解放されて笑顔で舞台裏を明かした。
松山のプレーについては「全部すごかったです。非の打ちどころがないというか。ショットもうまいし、ゴルフ脳も、もちろんすごいですし。ここで10年以上やられているので、経験もあるので、コースも全部分かっているわけで、本当に自分は、横を歩いていただけ。申し訳ないですけど、優勝させてもらいました」と、間近で見たからこそ、レベルの高さを一段と感じていた。
田渕キャディーは岡山・作陽高OBで、渋野日向子の先輩。渋野を育てた作陽高の田渕潔監督の長男だ。同高卒業後に渡米し、4年間、米国で修業したプロゴルファーで、レッスンプロをしていたことある。「今後またPGA(米男子ツアー)に出てくる選手に、経験したことを、伝えて生かせていけたらなと思います」と、貴重な経験としてとらえていた。

