ジェット桐生が“御前試合”で疾走する。全国高校総体の陸上競技は今日30日から5日間、大分銀行ドームで行われる。男子100メートルで4月に10秒01の日本歴代2位を出した、京都・洛南高3年の桐生祥秀(17)が日本人初の9秒台なるかに期待がかかる大会を、日本陸連の横川浩会長(66)が視察することになった。

 6月の就任時に横川会長は「現場を重視し、現場に足しげく通い、さまざまな人の話を聞いて頭に入れたい」と抱負を語っていた。有言実行とはいえ、九州で開催される高校の大会に陸連会長が直々に足を運ぶとなれば異例のこと。「現場の生の雰囲気を感じてきます」と楽しみにしている。

 公務があるため視察日程は未定だが、桐生がフル稼働すれば生の走りを直視できる。現状では開幕から第4日までの100メートル、200メートル、400メートルリレーの出場が確定。さらに洛南高関係者が「調子のいい選手を使おうと思っている」という、最終日の1600メートルリレー準決勝以降に出場する可能性がある。そうなれば陸上競技期間中が「桐生祭り」と化す。8月10日開幕のモスクワ世界選手権を前に、ジェット桐生が日本全土をヒートアップさせる。【渡辺佳彦】