サントリーの15年W杯日本代表SO小野晃征(29)が3ゴール2PGで12点を稼ぎ、4季ぶり優勝を手繰り寄せた。リーグ全15試合に先発し、計187点で初の得点王を獲得。3歳から19歳までニュージーランドで過ごした“逆輸入”の司令塔が、在籍5季目のシーズンでフル回転した。

 小野の右足に勝ち切る術(すべ)が詰まっていた。0-8からツイのトライで3点差とした前半23分。左中間の微妙な角度からゴールを成功させ、仲間を勢いに乗せた。「トライチャンスは前半で2回だけ。それをしっかり取り切れた」。大半を防御に費やした前半で6点リード。したたかに役割を果たした。

 後半の右足は、相手へのボディーブローとなった。6点差に迫られたが、2PGで12点差に広げた。キックの積み重ねが、初の得点王にもつながった。「みんながプレッシャーをかけてくれたからこそ。結果だけですよ」。喜ぶことはせず、仲間に感謝した。

 1年通しての大活躍にも小野は「最初はキッカーが誰もいなかった」と笑う。サモア代表SOピシがイングランドへ移籍。得点源不在の危機が一転、チームの武器へと変わった。昨年は発起人の1人となり、日本ラグビー選手会の立ち上げに尽力。グラウンド内外で29歳は、円熟の時を迎えている。【松本航】