国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は2014年ソチ冬季五輪でのロシアによる国家ぐるみのドーピング問題で、来年の平昌五輪の出場権が懸かる大会が本格化する時期を見据えて、遅くともことし10月までに同国に制裁を科す方針を明らかにした。21日付の米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで語った。

 バッハ氏は、不正の調査は継続中だとして制裁の内容は示さなかったが「ソチで起きたことは忘れてはならない。制裁は可能な限り早く科したい。適切な制裁を科すため、不正のシステムがどこまで深く根付いていたかを解明しなければならない」と述べた。

 ソチ五輪を巡っては、ドーピング検査所の所長を務めたロトチェンコフ氏が、ロシア選手への禁止薬物投与や尿検体のすり替えの組織的不正を昨年5月に米メディアを通じて告白。世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームは同氏の証言を基に、国家ぐるみの不正があったと断定した。

 ロシアのプーチン大統領は国の関与を否定している。