昨年度関西大学リーグ3位京産大がロスタイム4分で12点差をひっくり返し、関学大に35-33で全勝を守った。

 後半40分終了時で21-33。まずラインアウトモールでトライを奪い、GKも決まって28-33。同42分にWTB浜田将暉(3年=京都成章)が同点トライ、GKも決まり、大逆転劇が完結した。

 大西健総監督(67)は「まあ、何とか勝って…」と大きく息を吐き出した。元木由記雄ヘッドコーチ(HC、46)は「勝負に負けましたね。FWはスクラム以外完敗に近いし…。最後はいいタイミングでいい選手にボールがいって、ついてた感じです」と複雑そうだ。強みのFW戦で後手に回った。強みのモールで押し切れない。ラインアウトは安定しない。ミスも出て、流れをつかめなかった。

 それでも、勝った。12点差を追って突入したロスタイム。ゴール前左ラインアウトからやっとモールでトライを奪い、弾みがついた。相手キックオフに対し、途中出場のSO山内凌雅(2年=関大北陽)がカウンターでゲインラインを突破。フォローのCTB田畑凌(3年=報徳学園)がハーフライン付近で右に素早くパスを回すと、WTB浜田が右サイドライン際を駆け上がり、インゴールに飛び込んだ。浜田は「ロスタイムに入っても、あきらめる空気はなかった。あそこは、もうトライをとるしかないですからね」と起死回生の同点トライを振り返った。

 4戦全勝で残り3戦。昨年1位天理大、2位同大、4位近大との上位勢対決だ。元木HCは「リーグ戦中やけど、もっと強くなっていかんと…。特にFWのセットプレーの精度ですかね。まだそのへんがね」とさらなるチーム力アップに望みをかける。98年度以来19年ぶり5度目の優勝へ。ギリギリだが、希望はつながった。