10月28日、F1第18戦メキシコGPの予選が行われ、フェラーリのセバスチャン・フェテルが大逆転でポールポジションを獲得した。今季4回目、通算50回目の獲得となる。

 フリー走行からトップに立ち続けたのはレッドブルのマックス・フェルスタッペンだった。予選でも好調を維持しQ1からQ3の1回目のアタックまではトップ。しかしタイヤの温まりが遅く計測2周目には好タイムが記録できるものの、時間の都合上1周目にアタックしなければならないQ3の最後には自己ベストタイムを更新することができず。ここでフェテルがわずか0.086秒逆転してポールポジションを勝ち取った。

 「このサーキットは1周をうまくまとめるのが簡単ではないんだけど、本当に素晴らしいアタックを決めることができた。実際ターン6でコントロールを失いかけたけど、タイムロスなくなんとかアタックを続けることができたんだ。昨日は苦しんだけど、夜の間に施したセットアップ変更がうまくいって大きく前進できたよ」

 2017年のドライバーズタイトル獲得がかかるルイス・ハミルトンはフリー走行からレッドブル勢の後塵(こうじん)を拝し、予選でも最終アタックでミスを犯すなど3位に終わった。

 「僕はやれるだけのことはやったけど、彼ら(フェテルとフェルスタッペン)が良い走りをしたというだけのことだよ。最終アタックでタイムを縮めることはできただろうけど、彼らには届かなかったと思う。でも明日は優勝争いができると思う。少なくとも彼らのうち1台は倒したい」

 フェテルが優勝してもハミルトンが5位以上ならばタイトルが決まる。これについてフェテルは「タイトル争いは僕らの手ではなくルイスが何位でフィニッシュするかに掛かっている。僕らは全力を尽くして戦うだけだ」と語った。

 マクラーレン・ホンダ勢は新品パワーユニット投入によるグリッド降格ペナルティーが決まっているため、Q2に進んだ段階で走行を取りやめ14位・15位で予選を終えた。Q1ではフェルナンド・アロンソがストフェル・バンドーンのスリップストリームを使って空気抵抗を減らすなどして5番手タイムを記録し、中団で戦う力があることは示してみせた。(米長峰起通信員)