白組2位のヤマハ発動機が、40-5でサニックスを下した。勝ち点5を加えて、同46に伸ばした。白組3位リコーとの差は7に広がり、各組2位以上が出場の日本選手権(優勝決定トーナメント)に王手をかけた。次戦は24日、リーグ最終節で白組首位のパナソニックとホームで対する。

 ベテランWTB田中渉太(30)が、今季初トライから一気に3トライをマークした。前半最後のプレーでSOマット・マッガーン(24)が左サイドに飛ばし、パスを放った。ライン際の田中がキャッチし、インゴールに飛び込んだ。

 後半9分にはゴール前の混戦からねじ込み、同32分、右サイドでCTBヴィリアミ・タヒトゥア(26)からパスを受けて、ゴール中央に決めた。リーグ戦で自身初の1試合3トライ。ジャンプして喜んだ田中は「跳びはねるのは、昔にやっていて、周りに誰もいなかったんで、その時かなっと。皆さんのおかげです」と笑顔を見せた。

 今季開幕直前、左太ももの肉離れを負った。スピードが持ち味だが、ベテランの域に入り、ケガのリスクも考えるようになった。11月の代表のテストマッチ期間には清宮克幸監督(50)と面談し、「全試合で使わないけど。良いところで起用するから」と告げられた。そして、結果で応えた田中は「もう若くないので、コントロールしてもらえてありがたいです。『良い仕事したな』と言ってもらうのが、今のモチベーションです」と話した。

 白組2位ヤマハ発動機と同3位リコーの勝ち点差が7になり、今日17日のリコー-パナソニック戦で、リコーの獲得勝ち点が1以下だと、ヤマハ発動機の日本選手権出場が決まる。田中は言った。「これから日本選手権を含めた3試合に全部出るつもりで調整します。勝ちにこだわり、守備からチーム貢献します」。今こそ、指揮官の言う「良いところ」だ。【大野祥一】