自己最高の世界ランク21位に躍進した大坂なおみ(20=日清食品)が、今季クレー(土)コート初戦を勝利で飾った。同82位のブレイディ(米国)を6-4、6-4で下し、2回戦では同74位のシグムンド(ドイツ)と対戦する。5月27日に開幕する赤土最高峰の全仏オープン(パリ)に向け、好スタートを切った。

 これまでクレーはどちらかというと苦手だったに違いない。一発で決めたい大坂にとって、さまざまな球種と粘りが有効なクレーは我慢という点で鬼門だった。しかし、今季身につけた安定したプレーでストレート勝ち。「昨年はクレーでだめだった。今年は新たにスタートさせたい」。

 3月のBNPパリバ・オープンを制した自信は大きい。4大大会に次ぐレベルの大会を制したのは日本女子初。昨年の全豪オープン16強のブレイディにゲームやポイントをリードされても「落ち着いて対処できた」。昨季に顔をのぞかせたピンチで慌てる様子はもうない。

 今大会の成績によっては、9日発表の最新世界ランキングで、伊達公子、杉山愛、沢松奈生子に次ぐ日本女子4人目の世界10位台も見える。全仏に向け、再び大きな飛躍が期待される。