2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会と国連児童基金(ユニセフ)は6日、五輪休戦を周知するプログラム「ピース・オリヅル」の第1回授業を広島市の幟町小学校で実施した。前日5日に東京で同プログラムのスタートを発表した元競泳五輪代表でユニセフ職員の井本直歩子さん(41)らが広島に移動。同校の6年生約100人を前に話をし、一緒に鶴を折った。

 同校で「ピース・オリヅル」授業がスタートしたのには、理由がある。原爆投下による被ばくが原因で12歳の時に亡くなり、平和記念公園の「原爆の子の像」のモデルにもなった佐々木禎子の出身校。病床で折った千羽鶴が平和のシンボルにもなっていることから、同プログラムのスタート校として選ばれた。

 「禎子の母校」として平和教育が盛んなだけに、子どもたちは紛争や内戦など世界の現状を伝える井本さんの話に熱心に耳を傾けていた。

 96年アトランタ大会女子800メートルリレーで4位になった井本さんは、00年に引退。現役時代から抱いていた思いを実現させるためにプールを離れ、紛争の続く地域での復興支援に飛び回った。現在はユニセフのギリシャ難民・移民対応チーム教育専門官。「子どもの力はすごく大きい。こういう活動を通じて、子どもたちが平和を追求する未来になってくれたらいいなと思います」と話していた。