レバンガ北海道が83-77で栃木ブレックスとの接戦を制し、連敗を3で止めた。両チームともハードなディフェンスで、最大得点差7の激しいシーソーゲームを展開。第4クオーター(Q)残り1分13秒から多嶋朝飛(29)が8本のフリースローをすべて成功させ、試合を決めた。ワイルドカード2位栃木とのゲーム差を3に戻し、チャンピオンシップ(CS)進出争いに土壇場で踏みとどまった。

 残り0秒2で5点リード。勝利を確信しても、多嶋は素知らぬ顔で、フリースローラインに立った。怒号のようなブーイングの中、残り1分13秒から決め続けた6本と同じように、正確にボールをリングに通した。7点差。「まだまだ(CS進出へ)タフな状況には変わりありませんが、毎試合しっかり成長して、良いゲームをしたい」。ため息に包まれたアウェーのアリーナで、ようやく頼れる主将が目尻を下げ、松島良豪(26)と抱き合った。

 前日7日に敗れた栃木から、執念で勝利をもぎ取った。2点リードの第4Q残り1分59秒。コートを転がるボールに向かって、まずは多嶋、次に松島、最後は桜井良太(35)がダイブした。追いかけてきた栃木のセドリック・ボーズマン(35)が、ボールを確保した桜井に思わずファウル。フリースローをもらった。「全員でルーズボールに飛び込んだりするようなプレーが終盤になるにつれ出てきていたので、そういったところの積み重ね」と多嶋が胸を張った。

 残り9戦全勝でも、栃木6勝以上でCS出場が消える。厳しい状況は変わらない。それでも、実力の拮抗(きっこう)する東地区内の直接対決を5試合予定する栃木に対して、北海道は3試合。ホーム開催も、栃木より1試合多い6試合を残す。「CS出場への希望を残したまま戦いたい」と水野宏太監督(35)。栃木との今季最終戦で手にした1勝の意味は大きい。

 14日の次節京都戦から、札幌、旭川とホームが4試合続く。西地区2チームに全勝なら栃木に十分なプレッシャーを与えられる。野口大介(34)は最近、メーカーから届いたNBAの名手ステフィン・カリー・モデルの桃色シューズでコートに立つ予定だ。「ホーム専用。フィット感が最高なんです」とニヤリ。最上級の準備で、大逆転CS進出をつかむ。