「重量級のホープ」が世界で存在感を示した。男子100キロ超級は五輪王者の故斉藤仁さん(享年54)の次男、斉藤立(16=東京・国士舘高)が優勝した。国際大会初出場で、4試合オール一本勝ちの鮮烈なデビューを飾った。

 決勝は延長の末、カマロフ(ロシア)に大外刈りで勝負を決めた。この日、自身のツイッターを更新し「ロシアジュニア優勝できました。多分いい報告ができたと思います。応援ありがとうございました。また頑張ります」と喜びをつづった。

 高校2年で190センチ、155キロ、足のサイズは34センチの大器。体格は小5で父を超え、いまだ成長途中だ。パワーでは大学生や社会人にも引けを取らない。最重量級でありながらも多彩な足技に磨きをかけ、可能性は無限大だ。15年1月に父が死去後、柔道に対する考え方が変わり「お父さんの偉大さが分かった」という。20年東京オリンピックも視野に入れ「金メダルを取って両親へ恩返ししたい。体だけでなく、結果でもお父さんを超えたい」と壮大な夢を語っていた。

 3月の全国高校選手権では国士舘高を3年ぶりの優勝に導き、全日本柔道連盟の山下泰裕会長は「今まで見てきた重量級選手で可能性は最高」と絶賛していた。