スポーツクライミングのボルダリングW杯のスイス・マイリンゲンで行われた開幕戦で優勝し、ロシア・モスクワでの第2戦も準優勝で飾った野中生萌(みほう、20=TEAM au)が24日、羽田空港に帰国した。2季ぶり3度目のW杯(ワールドカップ)優勝に「優勝できると思っていなかったので初戦で優勝できたときは信じられなかった」とはじけるような笑顔だった。

 現在スピードの日本ランキング1位でもある野中は、モスクワではボルダリングの準決勝と決勝の間に、スピードにも出場。いかに早く壁を駆け登れるかを競うスピードでは、ボルダリングとはまた違って瞬発力が求められる。東京オリンピックではリードも含めた3種目の複合で争われることを見通し「間の時間が短い中でスピードのキャンセルも考えたけれど出ることにした。体はつかれたけれど、東京五輪では必ずやることだし、経験しておこうと思った」。今季が始まる前のオフからは、体力づくりの1つとしてサッカー日本代表の長友が愛用する「フローイン」という器具を使って手足を素早く動かすトレーニングも取り入れた。「勝つためなら」と体によりよい食事を取るように気を配るようにし、W杯に向けて準備を整えてきた。

 2月のボルダリングジャパンカップでは5位とふるわなかったものの、「W杯に合わせて調整してきたので、W杯前にいくら悪くても、W杯で結果を残してやるという気持ちが強くあった」と一蹴。W杯の次戦は中国での2試合が控える。「2戦で優勝したい。W杯での優勝と、五輪のメダルにに向けて1つ1つできることをクリアしていっている。この調子で優勝し続けて東京五輪までいきたい」と頼もしかった。