テニスの聖地で、とんでもない激戦が繰り広げられた。午後1時10分に始まった男子シングルス準決勝は、第1試合に続いてセンターコートで行われた第2試合が午後11時2分、約10時間たっても終わらなかった。

 世界8位のアンダーソン(南アフリカ)と同10位のイスナー(米国)の第1試合が、6時間36分のセンターコート最長試合、テニス史上最長を記録した10年1回戦の11時間5分に続く、大会史上2番目に長い死闘を繰り広げ、アンダーソンが7-6、6-7、6-7、6-4、26-24で勝利した。「何とも言いようがない。本当にタフな試合だった。普通の試合を超越しているし、信じられない消耗戦だった」。合計99ゲームは、大会男子シングルスで3番目に多い試合となった。

 これは準決勝の1試合分だけで、続く第2試合がまだ残されていた。同1位のナダル(スペイン)と同21位のジョコビッチ(セルビア)がコートに入ったのは午後8時ごろ。午後9時すぎの日没を想定して、試合開始前からセンターコートの屋根は閉められた。

 ウィンブルドンがある地区と会場のクラブとの取り決めで、午後11時までしかプレーはできない。猶予は約3時間弱。結局セットを分け合った第3セットがタイブレークにもつれ込み、ジョコビッチがセット2-1とリードしたところで午後11時を回った。大会レフェリーのジャレット氏がコートに現れ、両選手と主審に順延を告げ、主審が会場にアナウンスすると、観客からはブーイングが起きた。

 大会規定により順延となったナダルとジョコビッチの準決勝は14日、日本時間午後9時から再開される。続く女子シングルス決勝は、午後10時以降に設定されている。