フィギュアスケート男子で平昌五輪(オリンピック)代表の田中刑事(23=倉敷芸術科学大大学院)が24日、新たな“ライバル”の存在について語った。長野県内で行われている全日本シニア合宿に参加。同じ岡山・倉敷市出身の高橋大輔(32)が、4年のブランクを経て現役復帰する話題になると「何となく予感がしていました」と笑顔を見せた。

 これまではプロスケーターとして活動してきた高橋氏だが、田中は「異常に(それまでより)ジャンプをちゃんとしていて…。こだわっていたので、5月ぐらいにトレーナーと『ありえるな』っていう話をしていたんです」とニヤリ。その予想通りに現役復帰が発表され、今度は3枠の世界選手権(3月、さいたま市)切符を争うライバルとなった。率直な心境として「脅威です、もちろん。目標にしていた方で、理想型。及ばないこともたくさんあるけれど、見て盗める。チャンスと思わないといけない」と自らに言い聞かせるように語った。

 今季はショートプログラム(SP)「メモリーズ」を継続し「2シーズン目で違うものを見せられるように滑りたい」。フリーは振付師のマッシモ・スカリ氏に勧められて、名プログラムの「ウィリアム・テル」を選んだ。

 「(ウィリアム・テルは)ステファン(ランビエル)と織田(信成)くんのイメージが強い。織田くんはどちらかというとコミカルに踊っていた。僕は最後のコレオシークエンスはコミカルですが、そこまでは暗い感じが続く。どちらかというとステファンに似ています」

 歴代の名スケーターが滑ってきたプログラムを「すごく有名な曲なので、しっかりと表現したい」と落とし込み、五輪後のシーズンを戦い抜く。