日本の若きアタッカーが新たな背番号を背負い、エースへの道を歩き出した。バレーボール男子の国際親善試合が28日、千葉・船橋アリーナで行われ、世界12位の日本が同21位の韓国に3-0(25-21、25-21、30-28)で勝利。先発出場した西田有志(18=ジェイテクト)が12点を挙げる活躍で存在感を発揮した。

 「めっちゃ、緊張しましたよ。いいプレーを見せようとして力が入りすぎました」。試合後の西田は初々しい笑みを浮かべた。三重・海星高を今春卒業したばかり。それに合わせるように日本代表入りした左利きのオポジット(セッター対角の攻撃専念選手)の背中は、これまでの「32」から「11」に変わっていた。

 代表の主軸である柳田主将、石川がかつて代表で背負った番号で躍動。ライトからの強打を相手コートに突き刺し、バックアタックでブロックを粉砕した。9月の世界選手権(イタリア、ブルガリア)へ向けた合宿中で左肘痛も抱えていた。サーブミスが目立つなどプレーに精度を欠いた面もあったが、小柄な186センチの体全体を使った迫力あるアタックで会場を沸かせた。

 5~6月に行われた国際大会、ネーションズリーグから主力として活躍し、世界に衝撃を与えた。「この背番号、重いですねぇ。プレッシャーに負けないようにしっかり練習します」。1年前は高校総体に出場していた18歳は最後に表情を引き締めた。【小堀泰男】