日本のフェンシングを、スポーツ界を変える人を求む-。日本フェンシング協会が4日、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト、ビズリーチを通じ、協会内で働く人材の公募を開始した。

スポーツ競技団体の取り組みとしては、きわめて異例。優秀なビジネスマンの力を借り、新たな協会運営の形を作っていく狙いだ。

日本協会の太田雄貴会長(32)は「フェンシングのみならず、スポーツ界、社会にインパクトを出そうという気概をもって臨まれる方、ファーストペンギンになれる方に来ていただきたい」と熱意のある人材を求めている。

職種は<1>経営戦略アナリスト<2>PRプロデューサー<3>マーケティング戦略プロデューサー<4>強化本部ストラテジストの4つ。募集は各1名。副業、兼業限定で、年齢と経験も基本的には問わない。具体的にどんな仕事内容なのか。本業を持ちながら、どう働くのか。今回の試みについて、太田会長が質問に答えた。

Q(記者)フェンシングの経験、知識は必要でしょうか

A(太田会長)いらないです。ゼロでいいです。そこがポイントです。ただ、最低でもスポーツそのもの、オリンピック(五輪)には興味はあってほしいですね(笑い)。

Q、勤務期間は

A、来年1月から基本的に1年間です。ただ、成果を出すまでが仕事だとすると、1年では結果が出ないものもあると思う。2、3年かけて、というのも考えている。どちらにせよ、1年ごとに面談して契約を更新する形です。

Q、それぞれの職種の内容と欲しい人材を分かりやすく教えてください

A、

<1>経営戦略アナリスト

会長の僕、専務理事と一緒に協会運営そのものを考えていくポジションです。東京五輪後、競技団体に与えられている補助金が半減すると推測できます。その後も続けていけるような財源、収益事業を考えていかないといけない。経営経験者でなくても、同様の経験がある方であれば結構です。

<2>PRプロデューサー

フェンシング競技の効果的なPRの方法を考える仕事です。クリエーティブなアイディアを出すのが得意な方、またロジカルに戦略を考えられる方でもけっこうです。

<3>マーケティング戦略プロデューサー

僕らが出せる価値の対価をどう取りにいけるかを考えるポジションです。競技人口、ファンの拡大、両方を目指します。既に協会のマーケティング委員会には(ヤフーの常務執行役員)小澤隆生さん、メディアアーティストの落合陽一さんに入って頂いている。彼らと一緒に仕事をするのも貴重だと思います。欲しいのは、数字に強い方。また、僕と関わることの多い職種。我慢強くやれる方がいいです。

<4>強化本部ストラテジストこれは、公募するポジションとしてはめちゃくちゃユニークだと思います。強化はスポーツ界の「聖域」。金メダルを取り続けるために、何をしなきゃいけないかを考える人です。今までスポーツ界は競技の知識がないと強化に携われなかった。でも、指導するのはヘッドコーチ。そこに指示を出す人が、必ずしも競技をわかっている必要はない。コーチらの仕事内容を明確にした上で、内容を評価するだけでいいです。

Q、月に4日とありますが、本業との兼ね合いでフレキシブルに働くことは可能ですか?

A、個人の働き方にできるだけ応じていければと思っています。勤務地も基本的には(協会がある)岸記念体育会館や、国立スポーツ科学センターとなりますが、リモートワークも可能です。ただ、できるだけ顔を合わせて仕事をしたいと思っています。

Q、年齢制限の制限はありますか?

A、基本的には25歳以上としていますが、それより若く、意欲のある方は募集は可能です。

Q、給料は?

A、日当15000円です。協会の財政に余裕がないのもある。お金が第一、という方は少ないと思っている。交通費は実費です。

応募は今月31日まで。ビズリーチのホームページで受け付ける。