世界ランク6位の日本は同4位のブラジルに2-3のフルセットで敗れたが、7勝2敗、勝ち点22として2位で3次リーグ進出を決めた。2セットを連取し、第3セットにはマッチポイントを迎えながら落とし、その後2セットも逆転で失った。勝利を逃した中田久美監督(53)以下選手たちは、気持ちを切り替えてメダル獲得に挑む。

あと1点だった。長岡のバックアタックが決まって24-21。第3セットでマッチポイント迎えたが、そこから4連続失点で流れを失い、ジュースの末に落とした。第4セットも中盤に逆転され、最終セットも先行しながらひっくり返された。世界選手権ではブラジルに5連敗中。初対戦だった82年大会以来の白星がするりと逃げていった。

「選手には特に何も言っていなかった。でも、やはり集中力が切れてしまったのかも」と中田監督。たとえ敗れても1セットを奪えば、ブラジルに勝敗と勝ち点で並ばれてもセット率で上回ることが分かっていた。厳しい戦いを続ける選手たちにわずかな心の隙が生まれていた。

スーパーサブの石井は途中出場で17得点。1セット終盤に3連続得点で存在感を示したが、「ストレートで勝てた試合。勝ちきれなかった」。最多23得点の古賀はかれた声で言った。「3次へ切り替えてやるしかない」。

9試合を戦った選手たちには疲労もある。そんな中、中田監督はサーブが好調なベテラン荒木を第2セットからベンチに下げた。先発の新エース黒後を第1セット途中で引っ込め、第4セットにサイドではなくオポジットで投入。セッター田代に代えて同じセッターの冨永をワンポイントブロッカーで起用するなど、今後の戦いを見据えたタクトを振った。「3次に進むのはメダルを狙う上で必要なこと。これからは14人の選手をまんべんなく使っていきます」。中田監督は悔しさを押し殺すように会見を締めくくった。【小堀泰男】