3人制の女子バスケットボール日本代表で、聖和学園(宮城)の今野紀花(3年)が、米国の強豪ルイビル大(ケンタッキー州)に進学することが、21日までに決まった。今年4月には日本代表候補1次合宿に、高校生ながら選出された逸材。今年7月のジャカルタ・アジア大会では3×3日本代表として銀メダルを獲得。同10月のU18アジア選手権でも同年代の中心選手として準優勝に導いた。米国の新しい環境で心身ともに鍛え、2020年東京オリンピック(五輪)の日本代表入りにも挑む。

今野が、世界に羽ばたく決断をした。すべては日本代表のために。ジョージワシントン大からNBAメンフィス・グリズリーズ入りした渡辺雄太(24)や、明成(宮城)で全国制覇してゴンザガ大で活躍する八村塁(20)の背中を追うが、女子では極めて異例の挑戦。2年後に迫る東京五輪に向け、すべてを成長につなげるつもりだ。

きっかけは昨年6月に参加した「NIKEオールアジアキャンプ」(中国・東莞)だった。アジア各国から男女約100人が集った中で最優秀選手に選出。米関係者から留学を薦められ、世界一の強豪国への志向が少しずつ高まった。以降は、聖和学園の小野裕ヘッドコーチ(HC、42)の知人を通じ、自身のプレーをまとめた映像を送り続けた。複数の大学からオファーが届き、今秋には現地に視察訪問。一番熱心に誘いを受けたルイビル大の環境面や、昨季全米4強のレベルの高さから、最終選択に至った。小野HCも「女子としては初めてのパターンなので、うまくいくかは本人次第。チャレンジするポジティブな思いは、今後につながる。すぐに結果を出せば、日本代表にも近づけると思う」と期待する。

同大のワルツヘッド・コーチも「彼女のスタイルは速いペースの試合に適合しており、すぐに仲間に認められることは間違いない」と評価。4月に日本代表合宿に参加した際も、トム・ホーバスHC(51)から「体は強く、プレーも面白い。代表のチャンスがある」と素質を認められた。

来月23日開幕の全国選手権が高校生活最後の大会となる。同校最高4強を超える宮城県勢初優勝が目標。来年9月の入学前に、まずは日本でのNO・1獲得で、米留学への自信も得る。

◆今野紀花(こんの・のりか)2000年(平12)5月1日、東京・杉並区生まれ。仙台・七北田小3年時に、将監ミニバスケットボール少年団で競技開始。七北田中を経て、聖和学園では1年から出場。178センチのオールラウンダーで、キレのあるドライブに加え、相手をかわしながら片手でジャンプシュートも放てる技術も兼ね備える。愛称は勝利の花を咲かす存在になる願いを込めて名付けられた「サク」。右利き。