男子は、連覇を狙う明成(宮城)が77-52で前橋育英(群馬)に快勝し、準々決勝に進出した。ベンチ入り7人の1年生全員が出場し、貴重な大舞台経験を積む余裕の試合運び。加藤陸が先発起用されて7リバウンド、浅原紳介も11得点6リバウンドなどで貢献した。

明成の1年生「神セブン(7)」が大舞台で“稽古”に励んだ。加藤、浅原、6得点を奪った越田大翔が、昨年の優勝を経験した“横綱”田中裕也(3年)や川村亮汰(3年)とプレーし、前半だけで42-19と圧倒。第4Q途中からは下級生だけで試合を締めた。7人の1年生が全員登場。一戸啓吾が3点シュートを決め、山内ジャヘル琉人はフリースロー3本を100%成功。喜多陸登が2つのリバウンドをつかみ、河合海輝も必死にルーズボールを追った。

佐藤久夫コーチ(69)は「信号が点滅するちょっと前くらいに代えてあげるくらいが、いいんです」。緊張から来るミスも必然と考え、下級生の組み合わせも縦横無尽に。3連覇当時や前回大会も下級生の飛躍がカギを握ることも熟知している。「『練習でやってきたことが出ないじゃないかよ』と言える状況が大事なんですよ。だからこそ、能力でなくハートのバスケだと試合の中でも教えていきたい」と笑顔。「私はつらいのが好き。まだまだ青信号はいません。青になるか赤になるかは、私も分からない」と成長に期待を寄せた。

今日27日の準々決勝では昨年3位の帝京長岡(新潟)と対戦する。八村阿蓮(現東海大1年)の後継を狙う190センチ浅原は「自分にはリバウンド、ルーズボールの責任がある。今日は少し果たせたが、外国人留学生相手にもスクリーンアウトを徹底したい」。越田も「積極的にプレーして優勝したい」。入学前に現1年生全員でスタンド応援した前回優勝の歓喜を、再び味わう一翼を担う。【鎌田直秀】