世界17位の日本が同30位の中国に通算3勝2敗とし、デビス杯本戦への出場切符を手に入れた。

1勝1敗で迎えたこの日、ダブルスで敗れたものの、崖っぷちからシングルスで同66位の西岡良仁(23=ミキハウス)、同69位のダニエル太郎(26=エイブル)が連勝し、逆転勝利につなげた。11月の本戦は錦織圭(29=日清食品)も参戦する予定だ。

最終試合。3セットで2時間46分の大熱戦で、最後に笑ったのはダニエルだった。3本目のマッチポイント。李のフォアがアウトになると、精根尽き果てた足がけいれんした。「よっしゃ! ってやろうとしたら、足が前に進まなかった」。歓喜も、そのまま足を引きずり、握手に向かうのが精いっぱいだった。

この日の第1試合のダブルスで敗れた。地元の声援を受け、普段以上の力を出して向かってくる中国に、追い込まれた。しかし、前日の開幕戦でまさかの敗戦を喫した西岡が「今度は負けられない」と快勝。最終試合のダニエルで逆転勝利につなげた。

絶対的なエース、世界7位の錦織圭は全豪の死闘の影響で欠場した。しかし、岩渕聡代表監督は「ダブルスも頑張ったが、同じ高いレベルで2人がいるのは相手にはプレッシャーになったはず。この2人が軸になった」と、西岡とダニエルをたたえた。

両者にとっては、20年東京五輪出場条件もクリアした。五輪と五輪の間の4年間で、選ばれた代表戦に3対戦、そのうち、1対戦が19年か20年であることが五輪出場のための条件だ。それを、2人とも今対戦で満たした。

この勝利で、11月に行われる新生“デ杯”に進出だ。その舞台には、錦織も出場予定だといわれる。岩渕監督は「層の厚さは強豪国にも劣らない。5人をフル活用したい」と、総力戦を強調した。苦しいアジアとの戦いを勝ち抜いた後には、世界の舞台が待っている。【広州(中国)=吉松忠弘】