中地区首位の新潟アルビレックスBBが“首位対決”で連勝した。西地区首位の琉球ゴールデンキングスに87-79で競り勝った。63-65の第4クオーター(Q)残り9分17秒、SF池田雄一(35)が3点シュートを決めて66-65と逆転すると、この後はリードを許さずに逃げ切った。これで昨年11月4日の横浜戦で首位に立って以来、3カ月間首位をキープ。ホームでは8連勝になった。

池田のビッグショットが勝利を引き寄せた。第4Qの開始から43秒後、左サイド45度でボールを持つと3点シュート体勢に入る。東海大の後輩でもある琉球のSF古川孝敏(31)のブロックを、フェイントでかわしてコーナー寄りに移動。呼吸を整えて放つとボールはスムーズにネットを通過した。66-65と逆転。大歓声の中、池田は守備に戻りながらチームメートと握手をし、かすかに笑みを浮かべた。

この1本が試合展開に大きな影響を与えた。その後も点を取り合う中、新潟は1度もリードを許さなかった。「いつも打っている角度なので」。コーナー付近の難しい位置からのショット。それでも普段通りの感覚で決めた。むしろ「とどめを刺すシュートを決めなければならなかった」と、その後に3本外したことの方を気にしていた。

それだけシュートの精度には自信があった。庄司和広監督(44)は試合後の場内インタビューで「池田、鵜沢、ラモントがよくやってくれた」とヒーローとして名指しした。池田は今季38試合すべてベンチスタート。流れと相手守備を把握してコートに入る。この日もマークにくる古川の動きは頭に入れていた。逆転の3点シュートも冷静に判断した結果だった。

西地区首位の琉球に2連勝。新潟はホームでは昨年12月26日の横浜戦から8連勝だ。中地区首位も3カ月間がっちりとキープ。この日、同2位の川崎が京都に敗れたため、ゲーム差は5と開いた。庄司監督はあらためて「やるべきことを丁寧にやってきた結果の首位。これからも続けることが大切」と選手に気の引き締めを促した。

池田も「集中してやるだけ」。残りは22試合。チャンピオンシップ進出、そして初の地区優勝と、目標は明確にある。それをつかむため、これからも目の前の1歩から着実に踏み出す。【斎藤慎一郎】