20年東京五輪で行われるスケートボードで、佐川涼(19=クリスタルガイザー)が初優勝した。準決勝を1位通過し、決勝の1本目で91・85の高得点をマーク。昨年のアジア選手権以来の頂点に立ち、東京五輪出場に意欲をみせた。連覇を狙った池田大亮(18)は4位だった。パルクールのW杯女子フリーでは、泉ひかり(23)が2位に入った。

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極度の緊張の中で、佐川はコースに飛びだした。1分間、難度の高い技を次々と決めた。「みんな完璧に決めていたので、プレッシャーはあった」が、この日は冷静に持てる技を出し切った。1本目に91・85を出すと、2本目は誰も抜けずに最後は優勝を決めたウイニングラン。「なかなか勝てなかったので、うれしいです」と笑顔で話した。

一昨年の国内プロツアー年間王者。昨年のFISEはスケートボードの「顔」として前日会見や前夜祭にも臨んだが、本番は予選落ちした。昨年はアジア選手権で優勝するなど実力はあるが、大事なところで勝ちきれずにいた。日本代表の西川監督は「実力的には(世界最高峰の)SLSで戦っていてもおかしくない」と話すが、ミスが多かったことも事実だ。

東京五輪に通じる2月の日本オープンは「完璧な準備をして臨んだ」が、まさかの10位。日本選手権との合計で上位2人の日本代表入りは厳しくなった。それでも「東京五輪には出場したい」と話し「いろいろと道はあるので、それを探っていきたい」と言った。これまでは完璧な準備をし過ぎて本番で力み過ぎることもあったが「少しスケートボードが分かってきた」と佐川。この日、日本人選手で上から2番目の20歳は力を抜いて五輪を目指す。【荻島弘一】