世界ランキング7位の錦織圭(29=日清食品)が、33年大会の佐藤次郎以来、日本勢では86年ぶりの準決勝進出を懸け、同3位ロジャー・フェデラー(37=スイス)と対戦する。4大大会20度優勝で、ウィンブルドン8度優勝のフェデラーとの対戦成績は3勝7敗。過去の対戦を振り返る。

◆2011年11月6日・スイス室内決勝○1-6、3-6

世界ランキング32位の錦織圭(21=ソニー)のツアー2勝目はならなかった。決勝では4大大会歴代最多の16度優勝を誇る同4位ロジャー・フェデラー(30=スイス)に1-6、3-6のストレートで敗れた。しかし、準決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)を破り、日本男子史上初めて世界1位から勝利を収める大金星を挙げての準優勝で存在感を示した。


◆2013年5月9日・マドリードオープン準決勝●6-4、1-6、6-2

世界の「エア・ケイ」が、日本男子として初めてフェデラーを撃破だ !  世界16位の錦織圭(23=日清食品)が、4大大会世界最多の17度の優勝を誇る同2位のロジャー・フェデラー(31=スイス)を6-4、1-6、6-2のフルセットで下す大金星でベストに進出。フェデラーに勝ったのは日本男子初の快挙で、ツアー生涯獲得賞金も300万ドル(約3億円)の大台突破が決定した。


◆2014年3月26日・ソニーオープン準々決勝●3-6、7-5、6-4

連続金星の快挙だ。世界ランキング21位の錦織圭(24=日清食品)が、同5位ロジャー・フェデラー(32=スイス)を3-6、7-5、6-4の逆転で下し4強に進出した。4大大会歴代最多17度の優勝を誇るレジェンドに昨年5月のマドリードオープンに続く連勝。同4位フェレール(スペイン)に勝った4回戦に続いて1大会2人のトップ5撃破は日本男子初となった。


◆2014年6月14日・ゲリー・ウェバー・オープン準決勝○3-6、6-7

世界12位の錦織圭(24=日清食品)は、4大大会歴代最多17度の優勝を誇る同4位のロジャー・フェデラー(32)に3-6、6-7のストレートで敗れ、芝コート自身初の決勝進出はならなかった。錦織は、芝コートで歴代最高の9割近い勝率を誇るフェデラーに、第1セットの第6ゲームで、自分のサービスゲームを落とした。3-6で第1セットを先取され、第2セットはタイブレークまでもつれ込んだ。4オールまでは競ったが、3ポイントを連取され力尽きた。ど、今後に期待を抱かせた。

 

◆2014年11月11日・ATPツアー・ファイナル1次リーグ○3-6、2-6

世界5位の錦織圭(24=日清食品)が、テニス界歴代最強選手にはね返された。4大大会で歴代最多17度の優勝を誇る同2位のロジャー・フェデラー(33=スイス)に3-6、2-6の1時間9分で完敗し、初黒星を喫した。試合後は「全く歯が立たなかった」とショックを隠せなかった。

錦織と対戦するフェデラー(2014年11月11日撮影・PIKO)
錦織と対戦するフェデラー(2014年11月11日撮影・PIKO)
男子テニスATPツアー・ファイナル 第3日 シングルス1次リーグB組 ロジャー・フェデラー対錦織圭 フェデラー戦で必死にボールに食らいつく錦織圭=2014年11月11日
男子テニスATPツアー・ファイナル 第3日 シングルス1次リーグB組 ロジャー・フェデラー対錦織圭 フェデラー戦で必死にボールに食らいつく錦織圭=2014年11月11日

◆2015年11月19日・ATPツアー・ファイナル1次リーグ○5-7、6-4、4-6

世界8位の錦織圭(25=日清食品)が1次リーグ1勝2敗でA組3位となり、今季の戦いを終えた。4大大会歴代最多17度の優勝を誇る同3位のロジャー・フェデラー(スイス)を相手に、スーパーショットの応酬を繰り広げた。5-7、6-4、4-6で敗れたとはいえ「(勝ちに)近かったので悔しい。負けたけれど、久しぶりに楽しい一戦だった」と、表情は少し晴れやかだった。

男子テニスATPツアーファイナル 第5日 シングルス1次リーグA組 ロジャー・フェデラー対錦織圭 汗をぬぐう錦織圭=2015年11月19日
男子テニスATPツアーファイナル 第5日 シングルス1次リーグA組 ロジャー・フェデラー対錦織圭 汗をぬぐう錦織圭=2015年11月19日
男子テニスATPツアーファイナル 第5日 シングルス1次リーグA組 ロジャー・フェデラー対錦織圭 ガッツポーズをみせる錦織圭=2015年11月19日
男子テニスATPツアーファイナル 第5日 シングルス1次リーグA組 ロジャー・フェデラー対錦織圭 ガッツポーズをみせる錦織圭=2015年11月19日
男子テニスATPツアーファイナル 第5日 シングルス1次リーグA組 ロジャー・フェデラー対錦織圭 試合後、ロジャー・フェデラー(左)と握手する錦織圭=2015年11月19日
男子テニスATPツアーファイナル 第5日 シングルス1次リーグA組 ロジャー・フェデラー対錦織圭 試合後、ロジャー・フェデラー(左)と握手する錦織圭=2015年11月19日
ATPツアー・ファイナル シングルス1次リーグ フェデラーと対戦する錦織(2015年11月19日撮影・PIKO)
ATPツアー・ファイナル シングルス1次リーグ フェデラーと対戦する錦織(2015年11月19日撮影・PIKO)

◆2017年1月22日・全豪オープン4回戦○7-6、4-6、1-6、6-4、3-6

世界5位の錦織圭(27=日清食品)が、3年連続4度目のベスト8進出を逃した。4大大会歴代最多20度の優勝を誇る同17位のロジャー・フェデラー(スイス)に7-6、4-6、1-6、6-4、3-6の3時間24分で敗れた。試合後は「もったいないとしか言いようがない。このような負け方は本当に残念」。本気で優勝を狙っている4大大会の第1戦で4回戦敗退。生気を失っていた。


◆2018年10月12日・マスターズ上海大会準々決勝○4-6、6-7

世界12位の錦織圭(28=日清食品)が同2位のフェデラー(スイス)に屈した。4-6、6-7のストレートで敗れ、今季絶好調だったタイブレークも12連勝で止まった。第1セットの最初のゲームで6度のジュースの末にサービスゲームを落とし、第2セットも先にリードされたが追いつき、その後は互角の展開。しかし追いつくのにエネルギーを使い、突き放せなかった。


◆2018年11月2日・パリ・マスターズ準々決勝○4-6、4-6

世界11位の錦織圭(28=日清食品)が、同3位のフェデラー(スイス)に4-6、4-6のストレートで敗れ、ベスト4を逃した。フェデラーには6連敗で対戦成績は2勝7敗。錦織が力尽きた。ツアー通算100回の優勝に王手をかけているフェデラーの前に「全体的にミスが多かった。思うようにいかなかった」と、10月の上海マスターズ準々決勝に続きストレート負け。この日まで、9月の全米から19勝5敗と急ピッチで勝ち上がった疲労もあった。

今年は1月下旬にツアー下部大会で復帰。世界200位以下の選手に負けていたことを思えば、トップ10復帰に「ここまで来られたのはうれしい。いいテニスが戻ってきているのが何より」。すでに完全復活と言っていいだろう。


◆2018年11月2日・ATPツアー・ファイナル1次リーグ●7-6、6-3

世界9位の錦織圭(28=日清食品)がフェデラー撃破で金星発進!4大大会歴代最多20度の優勝を誇る同3位ロジャー・フェデラー(37=スイス)に7-6、6-3でストレート勝ち。14年ソニーオープン(現マイアミOP)準々決勝以来4年8カ月ぶりにフェデラーから勝利を挙げ、連敗を6で止めた。フェデラー戦は今年の2連敗を含み、6連敗中だった。「何かを変えないといけない」と挑んだ大舞台での一戦。課題の第1サーブが第1セットは47%しか入らない中、第2サーブで71%の確率で得点につなげた。深く、フェデラーの苦手なバックの高い球を配球したことでミスを誘った。フェデラーに憧れ、「見ていて最も面白い」とフェデラー好きを公言してはばからない。ただ、もう「勝てない相手だとは思っていない」。この日も、なかなかコントロールできない球を必死で返球。エンジンがかからない元王者に「今日は勝たなくちゃいけない試合だった」と、勝利を引き寄せた。