元オリンピック(五輪)スノーボード男子代表のプロスノーボーダー、国母和宏容疑者(31)が6日、逮捕された。

関東信越厚生局麻薬取締部が、米国から国際スピード郵便で大麻を密輸したとして、大麻取締法違反(営利目的輸入)の疑いで同容疑者を逮捕した。輸入に関する事実関係を認めた上で「営利目的は違う」と一部を否認しているという。8位入賞した10年バンクーバー五輪では公式スーツのシャツのすそを出し、ズボンを下げた「腰パン」姿で「反省してま~す」という言動も含め、物議を醸した。

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国母容疑者の名が世間に広まったのは、騒動の面も大きい。「腰パン」騒動は記憶に新しい。素行には賛否が分かれたが、スノーボード界では若手ライダーの憧れであり続けた。五輪男子HPで2大会連続銀メダルの平野歩夢選手も幼い頃から目標にしてきた。

五輪や賞金大会に出場する「コンテストライダー」の第一線を退いてからは米国に拠点を移し、雪が積もった崖など大自然を滑走して映像に残す仕事に活躍の場を移した。 命知らずとも言える豪快な滑りで数々の衝撃的な作品を発表。昨年は世界的なスノーボード専門誌が選ぶ年間最優秀作品賞を受賞し、最優秀男子ライダーに選ばれた。子どもの足跡をタトゥーとして腕に刻む一面もあった。

以前語っていた「スノーボードだけやっていても、一人前の大人になれた」との言葉がむなしく響く。