全日本バレーボール高校選手権(5~12日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)の女子県代表・長岡商(2年連続8回目)は、ベスト8進出を目指す。1回戦(5日)は、秋田北と対戦。新チーム結成時からコート上だけでなく、部活動全体を通してチームワークと精神力を磨いてきた。伝統のつなぐスタイルに意志の強さを加えて目標達成に挑む。

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「自分たちの持ち味は拾ってつなぐバレー。練習の成果を出したい」。上田みどり主将(3年)はチームの結束に自信を持つ。昨年は初戦(2回戦)で敗れたが、雪辱を果たし「ベスト8を狙う」と宣言した。

県大会決勝は、第2セットで関根学園に8点リードされるなどピンチを迎えながらも、3-0でストレート勝ちした。県内敵なしの土台には押し込まれても慌てないずぶとさがある。4月から赴任した曽根喜広監督(42)は「選手の自主性に伝統を感じる」と話す。

部内には4つのグループがある。対戦相手を分析し練習メニューを考える「練習班」、部室などの管理、整頓をする「環境部」、遠征時の予定などを決める「生活部」、学業の様子をチェックする「学習部」。上田主将は「部のためにそれぞれの役割があることで、やるべきことが分かるし、周囲を考えて行動できる」。練習だけでなく、学校生活そのものを、気持ちを鍛える場と位置づけてきた。

曽根監督はそうした選手の自立心を「練習でも、普通ならアドバイスされたことばかりに目がいきがちになるが、ほかの部分とのバランスをうまく取っている」と頼もしく感じている。サーブレシーブなどの基本練習を普段から徹底、週1日は体幹や柔軟性向上のトレーニングに当てた。地道に積み重ねてきた競技力とメンタルの強さを武器に「受け身にならず、やってきたことを出す」。上田主将は全国大会でも、その意志を貫くことを誓った【斎藤慎一郎】

○…攻撃の要のライト飯塚友珠(ゆうじゅ、3年)とセンター高井楓(3年)は、上田主将とともに昨年からのメンバーだ。「昨年は先輩たちに連れて来てもらった。今年は自分たちが下級生がプレーしやすい環境をつくる」と意気込む。高井は、県大会決勝で右足首を捻挫。負傷を乗り越え2連覇に貢献した。決勝で得点を量産した飯塚も大会3日前に右ひじを負傷。それだけに「(体が)万全な状態で1点1点に集中する」と全国舞台にかけている。