今季のグランプリ(GP)ファイナルで表彰台を独占したシニア1年目の「ロシア3人娘」が、初の欧州女王を目指して競演した。

ショートプログラム(SP)首位のアリョーナ・コストルナヤ(16)がフリー2位の155・89点を記録し、合計240・81点で初優勝。今季の国際大会無敗を維持した。

最終滑走となったフリーは、冒頭でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に2回転トーループをつけて成功。続く2本目の3回転半も決めた。だが、演技後半の3回転ルッツで痛恨の転倒。4回転ジャンプは組み込んでいなかったが、演技構成点は5項目中4項目で9点台(10点満点)を記録した。首位を守り抜き、ホッとした表情を見せた。

SP2位で19年12月のロシア選手権を制したSP2位のアンナ・シェルバコワ(15)は、フリー1位の159・81点を記録し、合計237・76点で2位。4回転2種3本のプログラムで勝負した。冒頭で4回転ルッツ-3回転トーループを成功すると、続く4回転フリップも回転不足判定ながら着氷。中盤の4回転ルッツこそ転倒したが、演技途中で衣装を青から赤に変えながら、完成度の高さを披露した。演技後は少し悔しがりながらも、笑顔を見せた。

SP3位のアレクサンドラ・トルソワ(15)はフリー150・39点の合計225・34点で3位。こちらも4回転2種3本のプログラムに挑んだが、冒頭の4回転ルッツ、基礎点が1・1倍となる演技後半の4回転トーループで転倒。得点発表を待つ「キス・アンド・クライ」では、結果を受け止めるようにうなずいた。

3月の世界選手権(カナダ・モントリオール)に向けて、ロシアの充実ぶりが光る表彰台独占となった。

3人の今季の主な国際大会成績は以下の通り。

◆コストルナヤ GPフランス杯、NHK杯優勝。GPファイナル優勝。欧州選手権優勝。

◆シェルバコワ GPスケートアメリカ、GP中国杯優勝。GPファイナル2位。欧州選手権2位。

◆トルソワ GPスケートカナダ、ロシア杯優勝。GPファイナル3位。欧州選手権3位。