ハンドボールの全日本学生選手権(女子)7連覇中の大体大を率いる楠本繁生監督(55)が20日、学生アスリートに助言を送った。

新型コロナウイルス対策で全国的に活動停止が相次ぎ、同大学も3月13日に全クラブの活動自粛を決定。女子ハンドボール部も新入生を含む部員52人中、希望した39人が帰省しているという。4月15日には20年度の西日本学生選手権中止が決まり、楠本監督は「学生は大会や試合に向けて目標を設定し練習するが、何に向かって努力したらいいのかと不安を感じている」と現状を口にした。

かつて京都・洛北高を全国高校総体4連覇に導いた楠本監督は現在、毎日3~5人の教え子に電話をしている。新4年生との進路の話はもちろん、1人で頑張るのが苦手な選手には「何カ月も休みが続くと個人差が出るやろうなあ。先生はその結果を見るのが楽しみや」と背中を押す。

集団競技の選手は個人競技の選手ほど、ストイックには練習できない傾向があるという。

「『あの選手と一緒なら頑張れる』『この選手には負けたくない』など、自分を高めてくれる仲間の存在が大きい。自分にも学生にも戒めていることだが『今は自分が試されている時』と思うことが大切。学生には『毎日寝るときに、今日1日24時間をどう過ごせたか自己評価しよう』と言っている。先が見えない今は1日1日を、課題を持って過ごすことが大切。その積み重ねが、全員がそろった時の力になる」

誰もが経験したことのない日々に、強豪ハンドボール部も向き合っている。