五輪競技ではコロナ禍で初めて日本に海外の選手を招いた体操の国際大会「Friendship and Solidarity Competition(友情と絆の大会)」が8日午後、東京・代々木競技場で開幕した。

今回のために創設された大会で、4カ国の計30選手を2チームに分け、男女混合の団体戦で実施する。コロナ禍で過剰なまでの対策を敷く中、調整過程では日本代表の内村航平(31=リンガーハット)が「偽陽性」と判断される事態もあった。この日も選手たちの待機場所に空気清浄器を置き、入場ゲートで観客にも検温を行うなど徹底した対策を取る。

来夏に予定する東京五輪への試金石にもなる大会。大会の開会式では国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が映像で登場。「いま私たちは前例のない大きな不確実性とともに暮らしています。その中で特に友情と絆がかつてないほど求められています。(大会は)最適な時期に開催されます。オリンピックの価値に焦点をあてていただき感謝します。感染対策により大きな制限がある中でも安全に開催できることを示すでしょう。東京大会の準備をする上で、私たちに自信を与えてくれるでしょう。来年、東京五輪でお会いしましょう」とあいさつした。

選手代表として内村も登場。「まず、このようなコロナ禍の中でお客さんを入れて体操の試合をできることに喜びを感じてます。制限ある中で生活していくことが非常に困難だと思いますが、こうして制限がある中でもスポーツの試合をやり、夢や希望を与えることが使命だと思います。来年の五輪につなげることも大切ですが、みなさんに夢と希望を与えられる選手じゃないと来年の五輪にもつながらない。立ち上がって歓声をあげたいくらいの演技ができればいいと思います。応援よろしくお願いします」と語った。

会場の外では五輪反対の集会も開かれており、多くの警察官の姿もあった。