関学大が日大を42-24で下して3連覇を果たし、史上最多の優勝回数を31度に更新した。

18年5月の定期戦で起きた反則タックル問題以来の伝統の一戦。当事者だったQB奥野耕世(4年)は、24ヤードTDパスを決めて突き放すなど勝利に貢献した。関学大は、来年1月3日の日本選手権、ライスボウル(東京ドーム)出場で社会人王者に挑戦する。

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35-21の第4クオーター(Q)、奥野はこの日初めてのQBサックを受け、8ヤード後退した。だが動じることなく、21ヤードのパスに成功。続けて、TDを狙い右腕を振り抜くと、エンドゾーン右奥に走り込んだWR糸川幹人(2年)に決まり、追加点を奪った。「準備してきたことしか、試合では出せない。想定して練習してきた。集中できたのが結果につながった」。大学最後の甲子園で、18年以来2度目の年間最優秀選手賞(ミルズ杯)も手に入れた。

18年5月の日大との定期戦。第1Qでパスを投げた後に、背後からタックルを受け、全治3週間のケガを負った。この行為は社会問題となり、大きな関心を集めた。日大とは、以来の対戦で、因縁の一戦が甲子園の舞台だった。表彰式では日大のQB林大希(4年)と写真撮影。「お疲れさま」と声を掛け合う和やかな雰囲気に包まれていた。

「いろんな方に支えられて、続けてこられた。応援してくれた方に、日大と甲子園で試合をして、元気な姿を見せられてよかった。お互い本気でぶつかって、いい試合ができた」と最強のライバルにも感謝した。

来年1月3日の「ライスボウル」では、社会人王者に挑むが、対戦相手は15日の富士通とオービックの勝者。富士通には「反則タックル」のもう一方の当事者、DL宮川泰介(22)が所属しており、対戦する可能性もある。奥野は「今(報道陣に)言われて知りました。対戦できたらいいなと思います」と、冷静に受け止めた。【南谷竜則】

◆関学大ファイターズ 41年創部。甲子園ボウルは49年に初出場初優勝。歴代最多54度出場で最多31度優勝。ライスボウルは13度出場で01年度の優勝1度。チームカラーはKGブルー、白。所在地は兵庫県西宮市

○…社会人王者との対戦をめぐっては、鳥内秀晃前監督時代から、危険性が話題になっていた。外国人選手を擁する社会人とは体格差がありすぎるというもの。大村和輝監督(49)も、危険への意識はあり「鳥内さんと相談します。あまりにも力の差がありすぎる」と話した。