今季、カップルを結成した村元哉中(かな、27)高橋大輔(34=ともに関大KFSC)組をアクシデントが襲った。村元が左膝を負傷して途中で切り上げた。

公式練習を含め、大会3日目のトレーニングが始まった直後だった。フィンステップを確認していた高橋と村元の足が絡まり、高橋が覆いかぶさるように転倒した。高橋の臀部が村元の左膝に乗り、体重がかかってしまった形。1分間ほど村元はうずくまり、氷の上に倒れて動けなくなった。

高橋が気づかい、小松原美里、小松原尊組らが滑り寄って心配する。平山姫里有、立野在組の曲かけ練習が開始を遅らせるなど、関係者が見守っていたリンクが騒然とした。

その後、何とか立ち上がった村元は、左膝を気にするそぶりを見せながら高橋とリンク外へ。コーチや医療スタッフと状態を確認した後、再び氷へ戻った。周回して感触を確かめたが、結局、またリンクサイドへ出てアイシングを始めた。

マネジメント事務所によると、医師の初期診断では靱帯(じんたい)損傷までは至っていないのではないか、とのこと。現時点で病院に行く予定もないが、通常、痛みや腫れが出てくるのは一定時間の経過後。そこで判断する。

村元は立つことはでき、帰りの車にも自力で乗り込んだ。高橋とともに、周囲に会釈。気丈に会場を後にした。午後4時1分のリズムダンス(RD)滑走時間まで約4時間。アイシングを続けながら経過観察することになった。【木下淳】