フィギュアスケート全日本選手権で5年ぶりに優勝し、来年3月の世界選手権(スウェーデン)代表に決定した男子の羽生結弦(26=ANA)が27日、長野市内行われた同代表発表会見に出席した。

22年北京五輪の国・地域別出場枠が掛かる大会へ「全日本の王者として行く世界選手権。日本代表として、日本人の1人として胸を張って行動したいし、いい演技もしたい」。そして最大3枠の確保へ「全力で役割を全うしたい」と宣言した。

今季はコロナ禍の影響でGPシリーズを欠場。世界選手権が開催されれば、羽生の国際大会は2月の4大陸選手権(韓国)以来となる。ライバルの動向、目指す順位を問われると「一緒に戦ってみないと分からない。空気感、リンク、点数の出方で単純比較できないので、目指したい順位はない」とかわした一方で「もちろんネーサン(・チェン)選手(米国)の動向は気になっています」と発言。昨年のGPファイナルなどで敗れた相手の名を出したが、すぐ「でもやりたいことは4回転半であったり、このプログラムをどれだけ深めていけるかが大事」と自身にベクトルを向けた。

17歳の時、初出場した12年の世界選手権で日本男子史上最年少の銅メダル。同じ17歳で初代表に選ばれた鍵山優真(星槎国際高横浜)へのアドバイスを求められると「自分の気持ちにうそつく必要はないよ。負けん気の強さ、勢いが1番の武器。自分も当時の演技は一生忘れないし『全日本で優勝したい』と言った気持ちのままで」と話した。

最後は感染対策の徹底を約束。「後遺症がある限りアスリートは感染してはいけないし、広げる若い世代になってもいけない。今回の全日本は行われて良かったし、対策も良かった。世界にも日本にも見せていきたい」。結果と同時に対策の模範も示す。【木下淳】